私立輝月学園
12
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俺は今、寮の目の前にいる。
地図を貰ったから、迷わなかったのはいいんだけど…
「これはないだろ…」
目の前には、一流ホテル並の外装とデカさのある、『寮』。
外がこれじゃ、中も相当だな。
とか思いながら、中に入ってみると案の定、天井にはシャンデリア。ここはロビーなのか高級そうなソファとテーブルが、何組かあった。
ここはこういう学校だ…。
もう気にしねぇよ…。
俺はエレベーターを見つけて、俺が使う部屋のある3階へと向かった。
「えっと…306、306と。…あった。」
目の前には、『306 秋庭奏葵 月城雪』と書かれたプレート。
間違いないな。
同室のやつ、なんて読むんだ?アレ。
とか考えながらインターホンを押した。
―ピンポーン
「………はいはーい。ガチャッ。誰?」
「今日から同室になる、月城雪です。よろしくおねがいします。ニコッ」
雪は、猫被り口調で挨拶をした。
もちろん、笑顔も作り笑顔で。
「あー!担任から聞いてる聞いてる!入った入った!」
なんだか明るい奴。
いや、煩い奴?
「そのへんに座ってて。今コーヒーいれっから。ブラックで平気かー?」
「ありがとう。平気です。」
俺はリビングにあるソファに腰かけた。
つか、リビングって…。
ありえないだろ、この広さ。
「おまたせー!インスタントで悪いな。ほい。」
「ありがとう。」
俺に手渡した奴は、俺の向かいのソファに座った。
よく見ると、こいつカッコいいな。
長身だし。顔整ってるし。
オレンジの髪と目は地なのか?
いつのまにか、雪はじ〜っと見つめていた。
「そんな見つめんなって。髪と目、珍しいか?。」「あ、ごめん。ちょっと…ね。」
「いいって、いいって!ここじゃ髪染めたり、カラコンいれたりしてる奴多いから普通なんだよ、俺。ま、俺の髪は地毛だけどな!目はカラコンな。」
笑いながら、そいつは話してきた。
ここじゃ普通なのかよ!?
つか、お坊ちゃまじゃねぇのか?皆。
なんだかよくわかんねーよ…。
「あ、自己紹介してなかったな!俺は秋庭奏葵(アキバ カナタ)。ゆろしくな!」
「僕は月城雪。よろしく。」
「俺の事呼び捨てでいいから!俺も雪って呼ばせてもらうし。いいよな?」
「うん。」
「んじゃ、雪の部屋は左な。7:00になったら食堂行こうぜ!」
「分った。ありがと、奏葵。」
「いんや!でさ…雪、あの〜その〜…」
「どうかした?奏葵。」
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