私立輝月学園
10
「いや、何も。でもな、雪。運が悪かったな…。」
「どういう事だよ?」
「この学校に、『紅』の奴等が通ってんだよ。一応あれでも、幹部らへんはお坊ちゃんらしい。」
「………は!?つかもっと早く言えよ!!俺慎先輩に素顔見られたし…。どっかで見た事あると思ったら、『紅』だったのかよ。」
「慎、先輩??なんで名前で呼んでんだ?雪。ニッコリ」
………黒い。なんか黒いオーラがあふれ出てる。
千里こえぇぇぇ!!!
「いや、呼べって言われて…しつこかったし。面倒くさくなったから…ごめんなさぃ。」
ここは素直に謝った方が身のためだ…。
長年の(16年だけど)知恵がそう言ってる!!
「ハァー。早速目つけられんなよ…。」
「それよりっ!他の幹部はなんていうんだ?チェックしておかないと。」
「あぁ。生徒会の奴等だけだよ。」
「は?」
「だから、生徒会。」
「生徒会全員…?」
「そ。」
は…!?なんでんな奴等が生徒会とかやってんだよ!!!
いや、慎先輩は確かに頭よさそうだからいいとして…
「ちなみに、琥柳は副総長。ここの会長は総長だ。ご愁傷様、雪。」
終わった…学校行くだけでも精神的ダメージ大きいのに、あいつらまでいるなんて。
(顔とかあんまし覚えてないけど。)
「それより雪。俺の前なんだから、その眼鏡とカツラとれって。」
「ん?あぁ。お前が送りつけてきたんだろうが。ま、役立つけど。」
と言って俺は眼鏡とカツラをとった。
「いつ見ても綺麗だ、雪。」
頭を撫でながら、千里そう言った。
「こんな銀色のどこが綺麗なんだよ。そんな事言うの、お前と族の奴等ぐらいだ。」
「雪華さんも言ってただろ?」
そうなのだ。(誰)
俺の地毛は銀色。目が青なのは、遺伝。母さんも青だった。目は気に入ってるけど、髪は好きじゃない。
突然変異でこんな髪色になった。
母さんとか千里とか族の奴等(あ、族の時は素顔で行くから)は、綺麗だって言ってくれるけど、俺はそうは思わない。
この髪のせいで、よく苛められたり、月城の親戚の人からは化け物扱い。
母さんは関係ないのに、色々言われてたみたいだった。
「でも、得した事ない。」
「損得だけであんまし物事考えんなって。な?」
くしゃりと頭を撫でながら千里が言う。
「ま、とにかく眼鏡とカツラは絶対人前でとるなよ?ニコッ」
「(黒い…)わかってるって。」
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