私立輝月学園
9
>「千里…?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「何…するつもりだ…?」
「まだあいつもガキだからな…仕事増やす程度にしといてやるっ!!」
「ハァーッ…」
ほんと毎度毎度溜め息が出る。
俺の事心配してくれるのは嬉しいけど、俺は別に復讐してやる気にはならない。
こいつ、輝月学園理事長の久遠千里(クオン センリ)は俺の従兄弟だ。
母さんの姉さんの息子…といっても、結婚相手が子連れだったから、実際血の繋がりは無い。
でも、血の繋がり以上に千里の家族は深い絆で結ばれてる。
でもって、俺が心から信頼できる奴の内の1人だ。
「関東NO.1の族の元総長とは思えない…大人げないって、千里。確かにやられた時はムカついたけど、こんなの犬に舐められた程度に見とけばいいって。」
「そっちこそ関東NO.1の族の元副総長とは思えないくらい、生温いな。雪がよくても、俺はよくない。」
あーあ。ご愁傷様、慎先輩。まぁ、手ぇだしたあんたが悪いんだけどな。
「つか、情報入るの早くねぇ?俺やめるって族のみんなに伝えたの一昨日なんですけど?」
「初代総長を舐めんなよ?雪の情報は、族の奴等から一日2回は入るようにしてんだよ。」
「無理矢理だろ…ソレ。」
「誰も俺に逆らわねぇんだからいいだろ?」
「たくっ…。俺はそんなに心配されるような年じゃねぇっつの。」
ほんと千里は過保護すぎんだよ…。ちったぁこっちの身にもなれって。
この年で心配されるとかどんだけだよっ。
「折角総長にしたいところを副総長で止めてやったんだから、もう少しやってやればいいのに。」
「全寮制の学校だし、ここ。そんな暇ねぇよっ。」
しかも副総長に止めたって、お前が勝手に決め付けたんだろうがっ!!
「お前が総長嫌だっていうから、副総長にしたのに。あれでも、俺の大切な族だぜ?雪はあいつらの事、どうでもよかったのか…?」
「そうじゃない。あいつらは家族だ。すごく俺にとっても大切な奴等だ。でも、この頃ある族の奴等が俺を探してるって情報が入ったから。しかも、そこ一回ボコった事あってさ。」
「なるほどね…大方関東No.2『紅』の奴等だろ?俺のとこにも情報きてる。」
「そ。絶対見つかったらリンチにされると思う…ってくらいやつらの部下を死なない程度に殴った。」
「いや…多分目的は違うと思うぞ…。ボソッ」
「何か言った?」
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