Endurance Bestfriend 「朝から災難だったな、お前ら。」 そう言って俺たちの前に座っている男――秋空紅葉(アキゾラモミジ)。 俺たちの親友もとい悪友。 その隣に大人しく座って話しを聞いているのが紅葉の彼女(?)、夜空楓(ヨゾラカエデ)。 一見女のように見えるが、列記とした男だ。 もしこれで戸籍とかがなかったら、多分女に間違われるな。…いや、俺も良く言われるけど…。 「でも…なんであんなに橋本先生と見つめあってたの?狼河、すごい顔してた。」 般若みたいだったよという楓。そうか、やっぱり怖かったんだな。 鬼の形相だったからな…。 『別に見つめあってたわけじゃないし…。アイコンタクトとってただけだよ。あそこで喋ってバレるわけにもいかないし…。』 「そっか。でもさ、こっそり耳打ちとかすればよかったんじゃない?態々あんなことしてたら勘違いされるよ?」 『耳打ちしてる方が絶対に勘違いされるからな。もうちょっと学習しような。』 学習能力の無い楓に諭すようにいってやる。そうすると、「うんわかった」となんとも気の抜けた返事が返ってくる。 これだから補習組はいやなんだよ。 いや、狼河は別として。 「…狼河、今日は奈々瀬も泊るんだろ?」 『うん。やっとお泊りできる。』 「…お泊り…。どうした。なんか喋り方変じゃないか?」 『そんなことないし。俺はいたって普通だし。』 「……そうか…?というか、箸が止まってる!しっかり食べとけ!!」 『ふぁい…。』 あっちのほうでは狼河と紅葉が話している。 何だかんだ言って紅葉は面倒見がいい。実際、妹が一人いるしな。 ――兄弟…か……。 また、朝のいやな感じが思い出される。 だけど、強引に振り払ってメロンパンを頬張る。 …うまい。 もぎゅもぎゅと効果音の付きそうな楓を横目で見ながら、俺も一生懸命口を動かす。 あ、顎が疲れてきた…。 俺の異変に気が付いたのか、もぎゅもぎゅしながら楓が話しかけてきた。 「なにゃせ…どーしたのん…。」 『顎…が、疲れた…。』 「飲み物〜。はぃ。」 楓に渡されたお茶を飲んで取り敢えずメロンパンを流し込む。 顎が回復するまでこのままでいよう。もうダルい。動かすの。 俺の前ではごっくんと喉を鳴らして、チョコパンを飲み込む楓がいた。 なんであいつは喉に物が詰まらないんだ? 毎回疑問に思う。あんなにいっぺんにいれたら詰まるだろ。喉の大きさは変わらないんだから。 『はぁ゛…死ぬかと思った。顎だっる…。』 「おつかれさま。」 取り敢えず、今のに突っ込みを入れて、いつ攻め'sが俺たちに構ってくれるのかを期待しつつ、待つことにした。 [*like...?][love!#] [戻る] |