star.07
沖田は手に持っているスポーツドリンクを藤堂に渡す。
「サンキュー…総司…。」
ニヘッと笑う藤堂。
「平助、帰ったら説教だね。」
「やっぱり?オレもミスったって思ったよ…」
裏をかくと沖田は自分にプレッシャーを掛けているのがわかる。
藤堂はそれをわかった。
きっと、mihoに自分のパフォーマンスを見せつけたいのだろう。
きっとそうだ。
だから、プレッシャーを、自分に掛けている。そして、土方に自分は出来ると見せつけるかのように…。
総司は後ろから二番目。
その前に同じ事務所で学校の後輩の千鶴と薫のパフォーマンスがあった。
2人は4歳の時両親の離婚のせいでバラバラに引き離された。
しかし、高校で偶然同じ学校に入り、同じクラスになったのを境に2人は自分の片割れに気づき今、こうして一緒いる。
2人の売りはとにかく息のあったダンスと歌。2人は今、高校一年生故、学業専念っと言うことで土日しか仕事をしてないが生放送は、マネージャーの言い付けで出るようになっている。
今、持っているレギュラーの番組は一本だけだ。
2人で一本と言うことに今はなっている。
空いている枠が1人なので交代に出ることになっている。
「あの2人、今日は異常なくらい息合ってるな。」
「そうだね。」
沖田と藤堂はじっと、2人を観察する。
パフォーマンスはさっきの藤堂と比べたら格差が大きい。それには一人より、2人の方かレベルも高い故、10年以上も離れ離れで暮らしていたのにこの、パフォーマンスができるのはすごい。
また、このパフォーマンスが沖田へプレッシャーとなってのし掛かる。
心臓はどんどん速さを増して行く。緊張して具合が悪くなる勢いだ。
こんなに緊張したのは人生ではじめてだった。
先輩方だって見てるし、後輩にいいところだって見せたい。そう思うと沖田の緊張は高まるのだった。
「おい、総司、大丈夫か?」
藤堂が総司の背中をさする。
が、沖田の不安は膨らむ一方。
あと、少しでこの曲が終わる。沖田の出番は次だった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!