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「藤堂君たちと斎藤さんの関係って…」

美穂は手を顎に何かを悩み始めた。

「本当に同期なの?」

眉間に皺を寄せる美穂。
何が疑問なのかよくわからない2人。

「…斎藤さんって何歳なんですか?」

…。

「…ぷ!」

笑に待機れず沖田はついに吹いてしまった。
藤堂は失笑し、美穂に優しく説明する。

「お前のクラスに山口一っているだろ?」

「うん。前髪長くて、メガネかけてて、地味なの。それがどうしたの?」

「あれ、一君だよ?」

シーンと言う擬音語が入りそうな沈黙。
美穂は徐々に理解して行ったのか目と口が段々開いてくる。

「嘘!!!斎藤さん、同いどっ……」

ものを言う前に藤堂が口を塞ぐ。

「それ以上言ったら君のカリキュラムが増えるよ。」

さっきまでバカ笑いしていた沖田が急に真面目な顔をして言った。
美穂は何度も頷くと、藤堂はそっと口を解放してやった。

「…まさが、学校に斎藤さんがいただなんて…。」

信じられないと言わんばかりに美穂は顔を真っ青にした。

「それに一君、この屋上のどっかにもいるはずだよ。」

「!?」

「冗談だよ。」

また、笑を耐える沖田の顔。
美穂は胸を撫で下ろし、藤堂は呆れ返っていた。

「なんで、沖田くんってそんなにひねくれ者なの?」

再び弁当箸をつけて、掴んだ卵を口にいれながらいう美穂。
むっとする、顔をする美穂にドキッと胸をならす男子二人は目に見えた事だ。
太陽が柔らかい日差しを三人に照らす。

「ん?さぁね?」

っと、いつもの笑顔で誤魔化す沖田。
嘘なのか、本当なのわからないけど笑顔。
彼は、いつ本当の笑顔を見せ、いつ、偽りの笑顔を見せているのだろう。

それかすべて、偽りの笑顔なのだろうか…。

沖田が近藤事務所に入って来たのはもう10数年も前のことだった。


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