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パラレルワールド

流されやすいコウナは、仕事中なのだから駄目だとわかっていながらも、このままキス以上のことまで及びたい気持ちでいっぱいだった。
しかし、二人のその高ぶる気持ちはノック音で打ち消される。


「失礼します。コウナ様、改めて今日は一日よろしくお願いしま…」


秘書のイリヤが部屋の中へと入ってくる。
そのタイミングの悪さに、いつも温和なレムもついため息をついてしまった。


「あ、え…と、よ!よろしく!!!俺わからないこと沢山あるし、色々アドバイスくれると嬉しい…」


主張したままの自身がばれない様、手でそこを隠すようにしながら椅子に座る。


なんとなく、二人の雰囲気でイリヤは何があったのか悟るが、こちらは仕事の為に容赦なくコウナの机の前まで近寄る。


「代理とはいえ、本日もそれなりにお仕事はありますので、まずはこちらに目を通してくださいませ。それから、後ほどお飲み物お持ちし致しますが、コウナ様は何を飲まれますか?」


「えっと…野菜ジュース…」

「もしかして朝ごはん食べられておられない…?」

「あ、うん。俺朝苦手で…ジュースとかでいいんだ」

「そうでしたか…では、ヨーグルトも混ぜたヨーグルト野菜ドリンクをお持ちいたしますので。」

「ありがとう。」

「レムの分はありません」

「……随分扱いが違うんですね」

「貴方は上司じゃありませんから。」

先ほどまでの行為への腹いせなのか、それとも
元々こういった性格なのか。
答えはどちらも正解だが、嫌味の一つを告げ
イリヤは満足げに部屋を立ち去った。

中途半端になってしまったが、今更先ほどの続きをするには、イリヤが再び部屋に戻ってくるかもしれない為、
仕方なくコウナは自身を鎮めることにした。

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