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パラレルワールド

それでも数日ぶりの再会が嬉しいのかコウナはレムにべったりで離れようとしない。
その上、頬にキスだけでなく唇にもキスをしようとしていたので無理やりコウナをレムから離し椅子に座らせた。


「仲睦まじいのは構わないが、話をするのが先だ」


「う〜〜…」


「いいか?社長代行ということで、明日は何かあれば
お前が判断し人を向かわせろ。
そして相当な緊急事態でない限りお前は現場に出なくていい。それに人手が足りないのであればお前の召還術で支援してくれ。」


「うん」


「それから、当日は新しい支援者の所へ挨拶に行ってほしいんだ。それも頼んだよ」


自分にそんな大役がこなせるのだろうかと、不安な気持ちを隠す為、レムの服をきゅっと握り、俯く。

そんなコウナの額に愛おしそうにアテナはキスを落とした。


「大丈夫、コウナなら出来る。お前は人の上に立つのは確かに向いていないかもしれない。けれど、人を集め人に囲まれ愛される力は誰よりも持っているよ。
どんな奴でも、お前を好きになってお前の力になってくれる。そういう星に生まれたんだから胸を張って自信をもて」


アテナがくしゃくしゃっと髪を荒っぽく撫でると、ふにゃっと笑顔を作るコウナ。


「えへへ…アテナちゃんありがと…大好き…ッ」


アテナにぎゅっと抱きつけば、優しくアテナも抱き返す。女であるアテナだが、コウナにとっては
母のような、姉のような、強い信頼できる存在であるから女性という形では見たことがない。
アテナも、コウナは子供のようなかけがえのない存在ではあったが、男性として意識をしたことはなかった。


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