パラレルワールド
3
ネオン街にふらふらとおぼつかない足取りで歩く。
あーあ。今日は駄目だなー。
少し本気になっていた男性と喧嘩をし、
逃げるようにやってきたいつものバーでは苦手なタイプの男に声をかけられた。
「あー!ほんっと男って単純!見た目で判断するのもいい加減にしろーーっ!!!!」
酔った勢いで道の真ん中で叫ぶ。
お前も男だろ、なんて突っ込みは飛んでこない。
行く当てもなくて路地裏でしゃがんでいるとブルブルとマナーモードにしていた携帯が鳴る。
「…ぅえ…」
かかってきた着信相手の名前がディスプレイにうつると面倒くさそうな顔で通話ボタンを押す。
「はいはーい」
「コウナ、お前今どこにいる」
「んー2丁目?」
「どこの2丁目だ。」
「別にいいでしょ。どうせ言わなくたって分かるくせに。」
「それより仕事だ。」
「だと思ったよー。アテナちゃんからかかってくる電話は基本的に仕事しかないよね」
「私がお前に仕事以外で何の電話をするっていうんだ」
「えー…おやすみコールとか///」
「本気で言ってるなら許してやる」
「ごめんなさい」
「よろしい。で、本題に入りたいんだが。」
電話の相手はアテナちゃん。俺の上司。
アテナちゃんとはとある事業を営んでいる。
でもそれは、皆が知ってるような会社ではなく。
俺たちにしか出来ないお仕事内容なわけで。
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