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こねた
記憶の中の笑顔[ジュレイ]

ジュレイ(ED後/例のやつの続き/ジュード視点)



久しぶりに訪れる賑やかな街カラハ・シャールの大風車を見上げて目を細めた。あの旅が終わってから何度か訪れたが、今のようにゆっくりとこの広場に止まるの久しぶりかもしれない。

待ち合わせの時間はもうすぐかなと、もうすっかり着慣れた白衣の袖をまくり腕時計を見た。約束の時間までは、あともう少し時間があるようだった、すこし市場でもみてみようかと近くのアクセサリー店を覗いてみた。
きらきらと輝くアクセサリーはどれも女の子が喜びそうな物だが、男である自分にはどこが良いのかなんて、さっぱりわからなかった。だが、その綺麗に並ぶ品の中にある可愛らしい黄色と橙色の花があしらわれたヘアピンが目にとまる。まるで、太陽の様にあたたかい笑顔の幼馴染みが頭を過ぎった。何故ここでレイアが出てくるのだろうか…


「おっ、そこのお兄さん、それ彼女へのプレゼントにどうだい?」

「え、か、彼女って!?」

店のおじさんの言葉に頬が熱くなる。そのおじさんの口車にのせられて、いつの間にかヘアピンを購入するはめになっていた。
行き先のわからないヘアピンの入った紙袋をとりあえずポケットに押し込み、待ち合わせ場所の広場へと戻ると馴染みのある可愛らしい声が耳に入ってきた

「ジュードっ!!」

ぱたぱたと駆けてくるのは、すっかり大人っぽく成長したエリーゼだった。ふわふわのスカートとピンクのボレロが良く似合っていた。

「エリーゼ、久しぶりだね!また身長伸びたんじゃない?」

「はい、少しだけ…あ、まだまだおっきくなりますからね!!」

ふふっと悪戯っぽく笑うエリーゼは、友達も沢山出来たせいなのか以前よりも随分と明るくなったように感じる。幸せそうなエリーゼを見ていると、やっぱりドロッセルにエリーゼを頼んで良かったと思った。


「でも、泊めてもらってホントにいいの?」

「はい、大丈夫ですよ!!ドロッセルも喜んでますから、」

僕の腕をぐいぐいと引っ張り歩き出すエリーゼは何だかとても楽しそうだった。そんなエリーゼをみて、まぁいっかと自分の腕を引く小さくも大きな力を感じながら青く澄んだ空を見上げた。

実は、昨日から研究発表の講演にカラハ・シャール来ていてエリーゼに久しぶりに会わないかと連絡をとったところ、ホテルに泊まらず領主邸に泊まって欲しいと言われて今に至るのだ。昨日は急だった為ホテルに泊まったものの、今日は甘えることにしたのだ。エリーゼやドロッセルともゆっくり話したいということもあったからだ。だが、残念ながらローエンはカン・バルクへ行って暫く戻ってきてはいないらしい。ローエンもまだまだ現役で頑張っているようだった。


「ドロッセル、ただいまです!!」

「おかえりなさい、エリー」

領主邸へ着くとエリーゼは庭先にいたドロッセルとにっこりと笑い合う。そんな二人を一歩下がって見ていると、僕に気付いたドロッセルが久しぶりねと声をかけてきた。

「部屋は用意してあるから、遠慮せずにゆっくり寛いでちょうだいね」

「はい、ありがとうございます」

「じゃあ、私が案内しますね!!」

エリーゼに案内され客間の前に通される。その部屋は以前にきた時にも使わせてもらったので少し懐かしく感じた。

「実はジュードにサプライズがあるんですよ?」

「え、サプライズ…?」

「はい、そこのお部屋なんですけど、開けてみて下さい」

エリーゼの言葉の意味に首を傾げつつも部屋の戸をゆっくりと開けるとそこには、久々に見た幼馴染みの姿があった。綺麗に伸びた髪と整った顔立ち。自分の記憶の中の幼馴染みとは変わっていて驚きを隠せなかった。

「レイ、ア…なの?」

「ほぇ、ジュード…?」

窓から入る風が長くなった彼女の髪を踊らせ目が離せなくなった。
エリーゼが同じ部屋ですけど良いですよね、とか何か言っていた気がするけど、自分の頭にきちんとその言葉が入ってなかったように思う。

「ちょっと、ジュードっ!!」

「え、あ、何?」

自分を呼ぶ声で我にかえると、腰に手を当て頬を膨らませるレイアと目があった。その仕種は以前のレイアと変わらないままで少しほっとした。

「じゃあ、私はいきますね」

「えぇ、エリーゼ、もういっちゃうの?」

もっとお話しようよと嘆くレイアにエリーゼはにこっと微笑み、僕に視線を向け頑張ってくださいねとこっそり耳打ちして手を振って出ていった。よく意味はわからなかったが、とりあえず応援されたということだけはわかった。多分というか、絶対にレイアとのことだ…

「いっちゃった…、ひどいな〜もう!」

ねぇ、といきなり同意を求められ驚いたが僕としては少し有り難いと思った。まだ気付いたばかりだけど、もしかしたら自分はレイアのことが…

「あ、あのさ…レイア…」

「ん、なぁに?」

「なんで、レイアはここに?」

その問い掛けにレイアはびくりと肩を上げた、えっと〜と言葉を濁してからエリーゼに呼ばれてきただけだよと答えた、目が泳いでいて何かを隠しているような気がしたけど、あえて追求しないことにしようと思った。

「えっと、ジュードは、頑張ってるみたいだね、」

「えっ?」

「白衣、すごく似合ってるよ!もう立派な研究者であり医者って感じだね!!」

どこか苦しそうに笑うレイア、小さな頃からのレイアの癖だ。自分が辛い時もレイアは必ず笑顔を作る。どうして…?
そんなのわかってる、悪いのは僕だ。
レイアがこんな性格になってしまったのも、こんな表情をするようになったのも僕のせいなんだ…


「レイア、」

そっとレイアの白い頬に手を沿える、翡翠の瞳が僅かに揺れた。その宝石のような瞳をじっと見つめる。

「ジュード…?」

柔らかそうな桃色の唇が自分の名を紡ぐ。幼い頃から見慣れたレイアの整った顔立ちは、今や幼い雰囲気を残しつつも大人っぽく変化し僕の心音を早めていく。

そして、いつの間にか自分の口からは…




「レイア…結婚、しよう……」






―――――――

続きかいてみたけど、終わりませんでした。あと一回くらいで終われそう……かな?

前置きが長すぎるんですね。余計なとこが多いんですよね…

とりあえず、エリーゼちゃんは二人の恋を楽しみつつ応援してるといい!!





111216

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あきゅろす。
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