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こねた
想いを風にのせて[ジュレイ]

ジュレイ(ED後)


ふわりと頬を撫でる潮風。
いつもと変わらぬル・ロンドを吹き抜ける爽やかな風に頬が緩んだ。

例の旅が終わりを告げてから看護師の見習いをやめ、宿屋である実家の手伝いを始めてから1年が経とうとしていた。
相変わらず、失敗ばかりで母に怒られてばかりだけど、出来るようになったことは増えた。料理のレパートリーは増えたし、家事も大分出来るようになったと思う。自分で言うのもなんだが、いつお嫁にいっても恥ずかしくないんじゃないかな、なんて言ったら父は涙を流して悲しむだろうけど…

手に抱えた洗濯籠を置き、竿に丁寧に洗濯物を干していく、宿屋なだけあり通常の家庭より多い。大変だけど、これはこれで楽しさもあった。
自分の家の料理を食べて、美味しいと言ってくれる人がいる。ありがとうとお礼を言われるのは、すごく優しい気持ちになれるのだ。

そういえば、旅の間も何度か料理を作り皆が美味しそうに食べてくれたなと思い出した。特に、今は本当に精霊の主となったミラや小さな身体に似合わず食いしん坊なエリーゼ。
今でも、旅をした仲間達とは手紙でのやり取り続いている。
ついこの前はアルヴィンに会った、彼もまた仕事を始めてから忙しいながらも充実した日々を送っているようだった。
"また会いにくる"なんて恋仲みたいな言い方をされたが、彼とは恋人同士でもなんでもない。
本当にそんな仲になりたいと望む幼馴染みは、最近めっきりと手紙の数が減った…
それでも、私は日常に起きた出来事を手紙に綴り送り続けた。本当に些細な事でも、幼馴染みが故郷を思い出してくれるように、自分を忘れないでくれるようにと…



「レイア、どうした?」

いつの間にか、手が止まっていたのか、父が心配そうな顔をして私を見ていた。いつまでたっても私の心配ばかりする優しい父。そんな父に心配をかけまいと精一杯の笑顔を作る。

「ううん、なんでもないよ」

そう言えば、父もふっと笑顔になりエプロンのポケットから一通の手紙を出してきた。

「この手紙、さっきレイアに届いたんだよ」

「え、私…?」

裏の差出人をみれば、エリーゼからだった。学校に通い始めて友達も出来たと嬉しいそうに話していた彼女の可憐で可愛らしい笑顔が浮かぶ。

「お父さん、後これお願いね!!」

そう言って、自分の部屋に走り出した。背に、私を呼ぶ声がしたけど、今は大切な友からの手紙を読みたくて仕方なかった。

部屋に飛び込むと、丁寧に封を開けて中を読み始める。彼女らしい丁寧で可愛らしい文字が並んでいた。
手紙の内容は、いつもの様に友達と買い物に行ったことや可愛い髪飾りをみつけたから私にプレゼントしたいということや、美味しいカフェがあるという楽しげな話ばかりで、自分の頬も思わず緩んでいた。

旅の最中では、お喋りが苦手で持っていた特殊なぬいぐるみ"ティポ"を通して話すことが多かったエリーゼが、自分の力でこんなにも友達と楽しく過ごしていることが素直に嬉しい。

そして、最後にはこう綴らていた。

"近々、ジュードが仕事の都合でこっちに来るらしいんです。レイアもよかったら来ませんか? 私、待ってますね!"

まるで、私の心を見透かして私が行きたいと思っているような言い方だった。
全く、エリーゼはどこまで背伸びをするのだろうか。
手紙を読み終えると、彼女への返信を書く為ペンをとった。

そして、真っ白なシルフモドキに手紙を託して空へと放つ。



"私も会いにいくよ―――"



大空を高く飛んでいく真っ白な鳥を見えなくなるまで見つめていた。
それから早速、友の住むカラハ・シャールへ向かう為に荷物を纏め始めた。

数日後、港へ向かい船に乗りこむ。何度も確認したから間違ってはいないはずだ。間違えたら、またあのお節介な幼馴染みが煩いし、そういつも思い浮かべるのは仕方ないなぁと微笑みながら私の怪我を治してくれる大好きな彼の姿。


――もうすぐ会えるんだ…






――――――

初エクシリア!!
ジュレイのつもりで書いたけどならなかったorz
しかも、台詞少なくて読みにくっ!!!
まぁ、こんなもんですな…もしかしたら続き書くかもしれない…イチャラブなジュレイちゃん書きたいし!!
でもエクシリアはいろんなCPがあってこまる^p^
アルエリもアルレイもジュミラも好き!!



111110

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