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第一分室 肆
涼やかな清香B
この部屋の香りというわけでもない。
かといって、テーブルの上にあるお菓子のはずもなく。
花の香り…というわけでもない。

では、一体何が…?

と、その時偶然アンジュの方に近づいたスパーダは、先程から感じている良い香りを強く感じた。

「…なぁ、アンジュ。
アンジュって香水か何かつけてるか?」
「香水なんてつけていないわよ?」
アンジュは聖職者。
清貧を生活を送る彼らが、香水なんてつけるはずもなく。
そうなると…

「そうか。アンジュが良いニオイなんだな」
スパーダはアンジュに更に近づくと、高い位置で結ばれている青い髪に顔を寄せる。
さらりとした感触が、頬に触れるのを感じた。

「ちょっと、スパーダ君!?」
慌てたアンジュは、すぐに離れようとしたのだか、スパーダに手をしっかりと掴まれているので離れようにも離れられない。

「なんだか、安心できるよな…」
気づけば、しっかりと抱き寄せるようになっている。
…スパーダの温かさが心地好くて。
放してと、どうしてもその一言が出てこない―

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