フリー小説置き場
甘えて欲しくてC
優しく髪を撫でてくれるヴェイグの手が心地好い。
何だか、安心して眠れそうな気がして―
「…わかった」
静かに髪をすくうように撫でられ、アニーはそっと目を閉じる。
そうしていると、あっけないくらいあっさりと眠気が来た。
連日の疲れがたまっていたのだろう。
「アニー…?眠いのか?」
「え…あ…はい」
うとうとと微睡みに沈みかけている意識をなんとか保とうと、アニーはしきりにまばたきをしている。
「そうか。
…おやすみ、アニー」
ヴェイグの声が遠く聞こえた。
静かなその声に促されるように、アニーは眠気に抗うことを止めた。
ヴェイグにもたれかって寝息を立てるアニーをそっと抱き上げると、静かに寝台へと運ぶ。
もう一度だけ眠るアニーの髪優しく撫でると、ヴェイグは静かに部屋を出た。
アニーが、ゆっくりと眠れるように。
終
[*前へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!