[携帯モード] [URL送信]

フリー小説置き場
甘えて欲しくてA
階段を上がり、アニーの部屋の前に立つ。
どうやら、まだ眠ってはいないらしい。

こんな時間にとはおもったのだが、そっと扉をノックした。

「…はい?誰、ですか?」中から返事をする声が聞こえる。

「俺だ。ヴェイグだ」
ガタッと音がしたと思うと、扉が開いた。

「ヴェイグさん、どうかしましたか?
こんな時間に…」
まだ眠る気はないのか、アニーの声はしっかりとしていて、眠そうな様子は見られない。

「いや、中庭から明かりがついているのが見えたから…」
気になって様子を見に来たのだ。

言われて初めて気づいたのか、アニーは時計を見て驚いている。
「もうこんな時間だったんですね。
本に集中していて気づきませんでした…」

机の上には読みかけの本がある。
ヴェイグが来なかったら、まだ読み続けていたに違いない。

困ったように笑ったアニーは、申し訳なさそうにうつむいた。
ようやく、ヴェイグが心配して来たことに気づいたからだ。


[*前へ][次へ#]

3/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!