第一分室 参 日常の風景@ 雨の日も、風の日も、宿でも外でも。 毎日の日課となっているコングマンのトレーニング。 余程のことがない限り、コングマンがトレーニングをしない日はなかった。 「・・・よし。今日もトレーニングの時間だな!」 夕食後のひととき。 他の仲間たちがくつろいでいる中、コングマンのトレーニングは始まった。 腹筋に始まり、腕立て伏せや背筋・・・。 全身の筋肉を維持し、高めるためにコングマンのトレーニングは、毎日驚くほどメニューが多い。 チャンピオンになり、それを維持し続けるのは並大抵のことではない。 日々のたゆまぬ努力があってこそのものである。 普段の様子からは想像もつかないくらい、コングマンのトレーニングに対する姿勢は真剣そのものだった。 「・・・よし。次は腕立てだな」 腹筋を終えたコングマンは腕立て伏せの体勢を取る。 呼吸を整えて開始しようとすると、スタンの声がした。 「コングマン、俺も一緒にやるよ」 ディムロスはルーティとアトワイトのところへ置いてきたらしく、スタンはひとりだった。 普段身に着けているプロテクターを外しているスタンは、コングマン隣で腕立て伏せの体制になる。 「トレーニングは欠かせねぇからな。 おめぇも剣を使うなら腕立ては重要だ!」 相手がどんな相手であっても、トレーニングを志すなら仲間。 快くスタンを受け入れたコングマンは、スタンと並んで腕立て伏せを始めたのだった。 [前へ][次へ] [戻る] |