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第一分室 参
料理に想いをこめて@
「チェスター、これあげる!」
笑顔でアーチェが差し出したお皿の中身を見たチェスターは、眉をひそめた。
そこにあったのは、何やら怪しげな料理らしき物体。
中に入っているにんじんやらジャガイモのおかげで、辛うじて料理だと判別ができるような代物である。

「・・・なんだよ、これ?」
「あたしが心をこめて作った料理!」
チェスターの問いに、自信満々にアーチェは答える。
今回のは特別凄いんだよと、アーチェは言っているが、チェスターは内心ため息をついた。

せめて得意なフルーツ料理を使った料理なら、まだ何とかなっただろうに―。

「いらねぇよ、そんなもん」
一口も食べることなく、チェスターは料理をアーチェに返した。
誰が食べるかと。
食べたら最後。また、以前のように・・・。
思い出されるのは侵食洞での一件。
あの時も相当なものだったが、今回のはさらに凄そうだ。

「ひどーい!」
あっさりと料理を突き返されたことに、腹が立ったのだろう。
アーチェは半眼になってチェスターを睨みつけた。
「何でよ!せっかく作ったのに。
ちょっとくらい食べてみてくれてもいいじゃん!」
「そんな危険なことができるか!」
アーチェの特別料理の威力は、本当に恐ろしい。
身をもって知っているチェスターは、思わず身震いをする思いだった。



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