[携帯モード] [URL送信]

第一分室 弐
美味しい料理を@
「なんだ…これ?」
目の前に並ぶ珍妙な米の固まりに、チェスターは眉をひそめた。
「…おにぎり」
「はぁっ!?これがか?」

アーチェの答えに、チェスターはまじまじと目の前にあるおにぎり(らしきもの)を見つめた。

…三角形のものは、一つもない。
全て丸とも四角ともつかない、歪な形をしている。

「……」
見た目はともかく、おにぎりはおにぎりだ。
中身によほど変な物を入れていなければ、平気だろう。

「中身は?」
「梅干しと鮭」
ごく普通の具に、チェスターは一安心だった。
それなら大丈夫だろうと、ひとつ手に取りかける。

「「あ」」
口に運ばれる前に、それは無残にも崩れた。
どうやら、握り方が甘かったらしい。

「…ちゃんと握れよ…」
気を取り直し、チェスターはもう一つ手に取る。
今度は崩れる事はなさそうだ。
…少し、強く握り過ぎではあったが。


[前へ][次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!