第一分室 弐 遺跡船の日常D 「何でセの字の言うことは素直に聞くんじゃ…」 うなだれたモーゼスに、ジェイはしれっと答える。 「セネルさんの言っていることは、理に敵っていますから」 情けなさそうな表情になるモーゼスに、セネルはただ苦笑するしかなかった。 「…ホント、うちの兄弟は仲いーね」 「そうだな。3人とも楽しそうだ」 けんかをしている時でも、傍目にはじゃれあいにしか見えない。 どんなに口喧嘩をしようと、睨み合いをしようと、結局は丸く収まってしまうのだ。 「それにしても。 バカな兄とひねくれた弟がいると、真ん中は苦労するねー」 「でも、あの3人はそれでバランスがとれているんじゃないか?」 「それもそだね。 さーて、早くあの3人を呼んで来ないと!」 早くしないとウィルのゲンコツが飛んでくる。 きっと今頃、シャーリィが困っているに違いない。 [前へ][次へ] [戻る] |