素敵小説の部屋
6
…どれくらい時間が経ったのだろう。
日はわずかに傾き、長い間風にさらされていたせいか、少し体が冷えていた。
ふと、膝に自分のものでない温かさを感じた。
視線だけをずらして見てみると、そこにあったのはピンクの髪で。
(プレセア…?)
すぅすぅと規則正しい寝息が聞こえる。
(…!)
寝ぼけた頭ながらなんとか状況を把握し、自分の鼓動で起こしてしまうんじゃないかと心配になるほどに、心臓が大きく高鳴る。
「ち、ちょっとプレセア?///」
少し体を揺すってみたが、起きる気配はなくて。
穏やかに眠る彼女の顔は、いつもよりはるかに幼く見えて。
心がふわりと温かくなるのを感じ、微笑まずにはいられなかった。
[前へ][次へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!