第三分室 雪降る日にE 雪の降っている様子を、ふたりは飽きることなく眺めていた。 そのまま、しばらく時間が過ぎる。 次第に空が明るくなり始めた。 「あ、雪止みそうだよ」 先に気付いたのは普賢だった。 いつのまにか雪は止み、日が差しはじめている。 純白に染まった大地に陽の光が降り注ぎ、きらきらと輝いていた。 光に照らされた雪は、静かに溶けて、優しい音色を奏でている。 その自然の造り出す美しさに、目を奪われる。 「望ちゃん、外に出てみようよ」 普賢は光の中、太公望に手を差し出した。 太公望はまぶしい光に目を細めながら普賢の手をとると、ふたりはそろって外に出た。 完璧な美しさ。雪に染めあげられた大地。 それを実感しながら、かれらは雪の大地を踏みしめた。 終 雪は降っているのを見るのが好きです。 降った後はとても大変ですが、やっぱりわたしは雪が好き。 [前へ] [戻る] |