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第二分室
退行のすすめ?H
いつもは、アニシナの研究室まで訪ねてくる人はほとんどいない。
そんな人が近寄ることが稀なアニシナの研究室を訪ねてきたのは、グウェンダルの末弟のヴォルフラムだった。
ヴォルフラムは、グウェンダルが危惧した通り、ふたりの状態を見て固まっている。
きっとヴォルフラムの目には、グウェンダルとアニシナが座ってとても親密そうに話している…
ように見えていると思われた。
「ヴォルフラム、これは…」
グウェンダルが口を開く前に、ヴォルフラムはくるりと方向転換をしていた。
「申し訳ありません、兄上!」
お邪魔しましたといわんばかりにヴォルフラムは走り去った。
アニシナが、毒女アニシナの続きでしたら本棚のとなりの机の上に置いてありますよ
と、声をかけたがそれすらも聞こえていないのか、一目散に走り去って行った。

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あきゅろす。
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