[携帯モード] [URL送信]

第二分室
退行のすすめ?D
アニシナは時々手を止めて色合いを見たり、混ぜ合わせておいた薬同士をさらに混ぜ合わせたりと、黙々と作業を続けていった。
近くで見ていてもグウェンダルにはさっぱりわからない。
わからないから手伝うこともできず、かといって動くこともままならず、ただ黙って椅子のかわりをしているしかなかった。
            「…完成です」
しばらくして、ようやく手を止めたアニシナは満足気に宣言した。
手に持っているフラスコの中の液体がどうやら完成した薬らしい。
怪しげな青い色をしたその液体は泡が立っていて、ふわりと漂ってきた薬の匂いに、思わずグウェンダルは顔をしかめた。     いつものことながら、明らかに怪しげだった。
色といい、匂いといい、もし身体にいいから飲めといわれても、ためらってしまいたくなるような代物だ。

[前へ][次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!