[携帯モード] [URL送信]

第二分室
伝えたい言葉@
「ユーリ、いつもありがとう!」
久々の眞魔国。そして久々の愛娘。
久しぶりに会うグレタの第一声は、なぜか『ありがとう』だった。

「どうしたんだ、グレタ?突然…」
ユーリもグレタにつられたのか、ただいまと言うのをすっかり忘れている。

もちろん、愛娘に感謝をされて嬉しくないわけではない。
しかしあまりに唐突で、戸惑う気持ちもあるのだ。

「ベアトリスがお父さまにそう言っているのを聞いてね、グレタも次にユーリに会った時は、絶対言うんだって決めてたの!」

「そうか。…ありがとう、グレタ」
父に感謝を。
そこでユーリは、ふと思い出した。

気付けば、父の日はとうに過ぎていて。
過ぎてしまって結局、何もしなかったのだ。

「…親父に、せめてありがとうくらい言っておけばよかったな…」
「ユーリも?」
見上げてくるグレタに視線を合わせながら、ユーリは苦笑した。



[次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!