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第二分室
精一杯のありがとう@
「はい、ヴォルフ。これあげる!」
差し出されたのは一輪の花。
真紅の花だ。

「…これは?」
見た目は花の似合う美少年なヴォルフラムなのだが、実は花の知識はほとんどない。
今も、愛娘(に、なる予定)であるグレタに花を差し出されても、これが何という花なのか見当もつかなかった。

「カーネーションだよ」
にこにこ。
笑顔で元気よく差し出され、ヴォルフラムはカーネーションを受け取った。
「ありがとう、グレタ」

花を受け取りながら、今日は何の日だったかとヴォルフラムは悩んだ。
誕生日でもないし、何かの記念日でもない。
「グレタ、今日は何かあったか?」
「今日?今日は何もないよ?」

何もないのに、何故だろう?
もちろん、愛娘(に、なる予定)であるグレタからの贈り物なら、喜んで受け取るが。
首を傾げるヴォルフラムに、グレタは何か思い当たったらしい。



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あきゅろす。
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