第二分室 クマハチの恩返し?A クマハチが去ると、入れ替わりに次のクマハチが入ってきた。 両手には、同じようにいっぱいの花。 そして、花を落とすのはベッドの上。 その次も、またその次も同じ。 呆気にとられて茫然としているユーリだったが、しばらくして我に返った。 例によって例の如く。 今日もユーリの隣には、ヴォルフラムがいる。 しかもこの騒動の中、全く起きる様子がない。 花に囲まれて眠る美少年。 とても絵になりそうな光景なのだが… 「わーっ!ヴォルフラム!」 大量の花に埋もれかけているヴォルフラムを救出しようと、ユーリは慌てて花を移動させ始めた。 そこへ… 「うわーっ!!」 これまでにない大量の花が落ちてきた。 降り注いだとも言えるその量に、ユーリはヴォルフラム共々、花の中に沈む。 苦労して花地獄から抜け出したユーリに、クマハチの声が聞こえてきた。 「お母さん、ありがとうノギス!」 [前へ][次へ] [戻る] |