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第二分室
クマハチの恩返し?@
ブーン…。
虫の羽音のようなものが聴こえる。
本来は小さな音のはずなのだが、眠っている時に耳元で聴こえるととても耳障りだ。

「うー…」
ぐっすりと眠っていたはずなのだが、聴こえてくる羽音にユーリは目を覚ましかけた。
夢うつつの状態で、無意識に虫を払おうと手を伸ばす。
何度か繰り返したのだが、羽音は一向に静まらない。
静まるどころか、徐々に大きくなってきている。
そこでようやく、ユーリは完全に目が覚めた。

「…うるさい虫だなぁ…」
寝起きで少々ぼんやりしながらも、起き上がる。
「……!」

目の前の光景に残っていた眠気も一気に吹き飛んだ。
そこにいたのは…

「ノギス!」
クマハチ。
要保護希少動物にして、天然記念物でもある。
その両手には、なぜがいっぱいの花が抱えられていた。
「何で、クマハチが…?」
困惑するユーリをよそに、クマハチは抱えていた花をベッドの上に落として、去ってしまった。



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あきゅろす。
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