[携帯モード] [URL送信]

第二分室
雨音A
雨が降るのをこれほどありがたいと思ったことはない。
雨を見ているうちに、雨を感じてみたくなる。

物音を立てないように細心の注意を払いながら、ビビはそっと外に出た。


外に出たビビに、たくさんの雨が降り注ぐ。
ビビはぼんやりと空を見上げた。
夜の闇で見えないはずなのに、雨の雫は輝いているように見えて。

たくさんの雫が、光と共に落ちてくる。
それがとても、とても綺麗で。
しばらくそのまま雨を見ていた。

髪か雨にぬれて重くなってしまったけれど構わなかった。
穏やかな眼差しで、ビビは雨の降る夜空を見上げ続けた。

雨の雫が、全身に降り注ぐ。
手を掲げると、てのひらに雨が降りてくる。
てのひらにで杯を作ると、水はどんどんたまっていった。

[前へ][次へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!