第二分室
退行のすすめ?@
「グウェンっ!」
いつものように執務室で雑務に追われていたフォンヴォルテール卿グウェンダルは、思わず眉間のシワを押さえた。 この声は、彼の幼なじみにして毒女とも赤い悪魔とも呼ばれるフォンカーベルニコフ卿アニシナの声である。 「…アニシナ、何の用だ…っ!?」
ペンを置き、顔を上げたグウェンダルは珍しく絶句した。 あまりのことに、声が出ない。 「…グウェンダル?」
そういえば、声もいつもと少し違う。 アニシナの声には違いないのだが、いつもより高い、まるで子供のような感じの…
「アニシナ?一体何があったのだ?」
違っていたのは声だけではない。アニシナは子供の姿になっていた。
もともと小柄で、見た目は小さくてかわいいアニシナだったが、子供の姿になっているせいか、とても愛らしく見えるような気がする
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