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妖怪パロ あやかしあやし
参-忍の門戸を叩く-
そんなこんなで、兵助と八左エ門は忍術学園の上空にいた。

兵助は、空を駆けることができないので蝶の姿になった八左エ門に乗っているのだが。
端からみたら、でかい蝶の上に真っ黒い狐が乗っているのは不気味なのだろう。

端から見られれば、の話だが。

「へーちゃん、太った?前よりおも……ふぐぺっ」
気にしていた事を口に出されそうになったので兵助はその頭に肘を入れて黙らせた。



まぁ前は痩せすぎてたし、他に比べたらずっと軽いけどー、という弁解は左から右に流して兵助は眼下にある校舎を見つめた。
「へー、これが、ね」
たとえ仙蔵のお守りだろうが、それで喜八郎と離れようが、今決められた道を歩むしかないので、兵助は今目の前にある人間たちを見た。


校門に集まる新一年生と思われる連中。
その制服を目に焼き付けると、八左エ門に降りるように言った。

近くの森に降り立つ。
兵助はその場で後ろ足を蹴り、後ろに宙返り。
八左エ門は羽をはばたかせ燐粉を舞わせた。


「こんなもんか?」
「わー、兵助可愛いなぁ」
一年生と同じぐらいの身長と服を纏いたっている二人がいた。
「お前も同じだろ。ほら行くぞ」
兵助はさっさと先に進むと、それに続いて八左エ門も校門に進む。
それから校門の所にいる見知った顔を見ると八左エ門は兵助を追い越して二人の元に向かう。

「雷蔵、三朗、よろしくなっ!」
二人の肩を取る。
片方は狐の仮面をかぶっていたが、なにせ妖怪にはもっと不気味な者もいるので気にすらならない。

「八、こちらこそ」
雷蔵が笑う。
一つ遅れて来た兵助が追い付き三朗の狐面を叩く。
「何で狐なんだよ。喧嘩うってんの?」

三朗が仮面をかぶっている事にではなく、その仮面が狐なのに突っ込みを入れたいらしい。

「狸なんて締まりがないだろ?」
両手を掲げて狐面の理由を言えば兵助が顔をひきつらせて三歩ほど下がる。

いきなりひかれた彼を不振に思い後ろを振り向く。


「三朗?それは狸である僕に喧嘩売ってるんだよね?」

雷蔵っ?と三朗がひきつれば、とても素敵な笑顔で、じゃあ顔貸さないから。と言い捨て先に行ってしまった。

「私雷蔵の顔がなきゃ生きていけないっっ!」
落ち込んだ井桁模様の少年に兵助と八左エ門は肩を叩き雷蔵の後を追った。


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