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小説
金曜日(億泰夢)


仕事終わったぁああ!!!今日は金曜日!明日は土曜日!!
ウキウキの気分で駅の改札を出ると壁に凭れる見慣れた姿

「おっ!お名前さん、おかえりぃ〜」

「億泰くん、ただいまー」

「スーパー寄っていこーぜぇ」

少し寒くなった最近は日が暮れるのも早くて
定時上がりの私でも杜王町に着く頃には真っ暗だ。
夜道の一人歩きは危険だからと申し出てくれた彼に
甘えて、駅まで迎えにきてもらった

なにしろ金曜日は億泰くんの手作り晩御飯の日なのだ!

見た目とは違って家事全般が得意な彼は料理の腕も
なかなかで、年上の私よりも美味しいものを作ってしまう

「お名前さんさえよければよォ、おれが晩飯作るぜェ?」

そんな流れで毎週金曜日は億泰くんの日になっていた



駆け寄って隣に並ぶと当たり前のように手を繋がれる
(ふふ・・・最初の頃は手を繋ぐのもぎこちなかったのに)

「ん?どうしたんすか?」

思い出し笑いをしていると不思議そうな顔をした億泰くんにそう言われ

「んーん、最初に手を繋いだ時、億泰くん真っ赤になってたなぁ〜って」

と、からかい口調で笑うと

「なっ!///そ、そりゃあ今まで経験なかったんだもんよォ・・・」

少し赤くなった頬をぽりぽりと掻きながらあさっての方向へ目を逸らした

「いまでもまだドキドキしてるんだぜェ?///」
「す、好きな女と手ェ繋ぐんだからキンチョーするだろ、そりゃ・・・」

なんてはにかんだ笑顔で返してくるもんだからこっちまで照れてしまう

「あんまりからかうような事言ってっとよォ、今日はお名前さんの嫌いな食い物のオンパレードにするぜ?」

「えぇーーー!!やだー!ごめんなさい!もうからかいません!!」

折角の億泰くんの手作りなのに嫌いなもののオンパレードなんて泣いちゃう!
と加えると ジョーダンすよぉ〜♪と楽しそうに笑った




「〜♪」

鼻歌を歌いながら楽しそうにキッチンに立っている億泰くんは
まるで主婦(笑)

ウチの狭いキッチンにあの大きい身体で手際よく料理している姿はとても微笑ましい

今度フリフリのエプロン用意しとこう。

「お名前さ〜ん、できたぜぇ〜!」


料理を億泰くんに任せている間、溜まった洗濯物を片付けていると美味しそうな匂いとともに呼ばれた

「今日は億泰くん特製オムライスだぜ!冷めないうちに食おーぜ」

えっへんと胸を張りスプーンを渡してくれる
私の目の前のオムライスにはケチャップでハートとか・・・!
可愛すぎる!!

「あれ?億泰くんのオムライスはケチャップかけないの?」

ふと億泰くんのお皿に目をやるとまだケチャップがかかっていない

「おれのはよぉ、お名前さんが何か書いてくれよ///」

ちょっと照れながらお願いしてくる億泰くんが可愛くて堪らない!
何を書いたら喜んでくれるかなぁ・・・私はハートマークだから・・・
よし!

「よ・・っと!はい!億泰くん!!」

器用とは言えない私の腕でもなんとか文字を書くことに成功!

「お名前さん、これ・・・」

「私のキモチだよ♪億泰くんも私に書いてくれたもんね!」

真っ赤になった彼の前には LOVE とケチャップで書かれたオムライス
無言でじー・・・とオムライスを見つめる億泰くんに

「あれ?嬉しくなかった?・・・ごめん・・・」

と肩を落としてみせるとハッと我に返り顔の前で大きく手を振る

「ちっ!ちげぇよ!!!嬉しくて!やべぇ・・・写メしていい?」

なんて真面目な顔して聞いてくるから吹き出してしまった

「あはは!自分の作った料理を写メるの〜?」

「ちげぇって!お名前さんが書いてくれた文字を写メるんだっつの!」

さすがにおバカで通っている億泰くんでも意味はわかったようで
月曜日に仗助のヤツに自慢してやろーっと♪と言いながら
嬉々として写真に収めていた











お食事の後は甘い甘ぁ〜いデザートですね、わかります(*´∀`*)


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あきゅろす。
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