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客室にて
それを見た兄は凄く驚いたように目を開いたが次の瞬間、凄く嬉しそうに微笑むと強く僕を抱きしめた。
そして僕を抱き上げる。
「にっ、にいさんッ!!?」
ザバッ!と水音をたててそのまま湯船から出ると濡れた体のまま浴室を出た兄は一番近くの部屋へ入った。
兄が入った部屋は、客室用として使っている洋部屋で簡単な家具とベッドのみがある簡素な場所。
僕はベッドの上に優しくおろされると、上から兄か覆いかぶさってきた。
体の水滴を舐め取る様に兄の舌が這いずり回る。
「…んっ、…ふぅ」
「声、我慢しないで。私に莉央の可愛い奏でを聞かせてくれないか?…愛してるよ莉央、凄く綺麗だ」
僕の前髪を指で優しく分けた兄は、額に軽くキスを落とした後、唇に触れた。
二つの唇が重なり合うと兄が舌を差し込んできた。
僕は戸惑いつつも兄の舌の動きに合わせた。
混ざり合う唾液と熱い吐息、絡まる舌が僕の咥内で蠢いていた。
頭がボーー…とするのは酸欠のせいなのか、それとも…。
他人と距離をとっていた僕にはこれら全てが初めての経験で思考も行動も追いつかず、兄に翻弄される。
兄は唇を合わせながらも空いた手で僕の体を弄り、胸の飾りを長い指先で捏ね繰り回す。
体が痺れる。
背骨から腰に向かって電流が走ったようにビクビクする。
僕は男なのに、胸を刺激される度に吐息が漏れて何ともいえぬ感覚に見舞われる。
これが“感じてる”と、いう事なのだろうか?
この感覚が怖くて嫌なはずなのに、止めて欲しくないという矛盾が生じる。
兄も僕の経験値が底辺である事を知っている様で、優しく、時に激しくでは有るが割れ物を扱うように丁寧に愛撫をした。
互いの唇が離れると兄は僕の体の下へと徐々に移動した。
首にキスをされ、鎖骨を甘く噛まれて、左胸の先端にある小さな桃色の飾りを口に含まれて吸引された。
「ふにゃぁああっッ!!」
僕はその快感にイヤイヤと首を左右に振った。
兄はそんな僕を見て満足そうに微笑むと胸から唇を離した。
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