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3
「ついでだから前も洗ってやる」
僕の背中に兄の胸板が密着して、大きな手の平は僕の体の前を弄る。
「ちょっ、兄さん!前は自分で洗えますッ!…ひゃっ、やめて、くすぐったいです!」
「私の知らないうちに弟の体はいつの間にか、こんなにイヤらしい身体になっていたのか」
「い、いやらしいッ!?何言ってるの?…に、にぃさんッ?!…ッ!」
泡のついた兄の手が僕の胸の突起を必要以上に擦る。
くすぐったい様なムズムズした感覚に身体を震わせた。
「兄さん、そ…そこは、もう…洗わなくて良いです」
「何故?凹凸がある部分は汚れやすいから綺麗に洗わなくてはダメだぞ?莉央のココは小さく尖がっているから細かく丁寧に洗わなくては」
兄の指先が僕の乳頭をクリクリと刺激する。
「もぅ…ゃめ、何か変なんです、兄さん…ゃめてください」
「変って?どんな感じ?」
兄が僕の顔を覗き込む。
「…よく、わかりませんが、兄さんがココを擦る度に何故か体がビクビクと痙攣するのです。それが凄く怖くて…いやなんです」
そう答えると、兄は微笑みながら指先を離してくれた。
「怖がらせてゴメン、想像以上に敏感なんだな。続きはまた今度にしようか」
「敏感?」
僕が兄の顔を見ると…
「…あぁ、肌が弱いってことさ、気にしないでくれ」
「敏感肌って事なんですね?」
「……まぁ、何と言うか...、うん」
兄は曖昧に頷いた。
そして次の瞬間僕はショックを受けた。
ふと見た自分の股間の異変に目を見開いた。
兄が背後にいるっていうのに僕のソコは立ち上がって先端が天を向いていたのだ。
・・・何故だ!?
ココには刺激を与えていないはずなのに何故反応しているのだッ!!
驚きと恥ずかしさに混乱しつつ、兄にバレてはいけないと思い股をくっつけて、さり気なく手でも隠してみた。
片手でシャワーの温度調整ボタンを押して、コックを捻り泡を洗い流すと僕は隠れるように湯船に入った。
勢い良く入ったために、大きく波を立てて湯船のお湯がこぼれた。
「莉央?」
不思議そうな顔をした兄が僕の名前を読んだ。
「あ、豪快に湯船に飛び込むのが、最近のマイブームなんです」
と、苦しい言い訳をしたが兄はまた綺麗に微笑むと
「そうですか」
と言って自分の身体を洗い始めた。
とりあえず安心した僕は湯船に浸かりながら己のソレが落ち着くのを待った。
湯船の縁に腕と顔を乗せてボンヤリと兄を見ていたが、久々に見た兄の裸体にまで顔を赤らめてしまった。
同じ親から生まれ、同じ家で育ったのに兄と僕では全く体つきが違う。
筋肉質で逞しい身体と厚い胸板、顔はインテリ系で上品なのに身体は引き締まっていて腹筋が透けて見える…男らしくて美しい身体だった。
まるで彫刻等のモデルになっているギリシャ神話に登場する誰かみたいだと思った。
長い腕が上がりシャワーを持つ大きな掌。
シャワーから出るお湯が泡を消し去り、兄の逞しい身体を露にしていく。
広い肩から細い腰に向かって水が流れ落ちていく姿が神秘的に見える。
僕は自分の白く美しい細身の身体でも十分満足しているはずなのに…、僕だって凄く綺麗なはずなのに……、何故か兄の身体から目が離せなかった。
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