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偶然にも暇つぶしで俺が入部した弓道部。

そして弓道部の主将を務めていたのが莉央の兄、天宮真央だった。


誰もが恐れる学校の権力者…天宮真央。



…おもしろい。


俺は何気なく主将の真央に近寄り、積極的に声をかけて取り入った。

まずは周りから攻めていく…軽い気持ちで真央に近付いた。

誰もが恐れる会長様に好き好んで話しかける輩など今までいなかったのだろう…

俺が話しかけると真央は驚いた表情をした。


俺は頻繁に堅物真央に話しかけ続けた結果、いつしか俺と真央は学校で一番のツレになっていた。

そうなるように俺が行動した。


ツレといっても一緒に行動などはしないので俺と真央が親密な仲だという事は誰も知らないだろう。


もちろん莉央も・・・


弟の莉央が欲しいが為に真央に対して友達の仮面を被る。

嘘の友情ゴッコ。

最低と思うかもしれないが初めから俺は真央を利用する気で近付いた。



探りを入れれば入れる程、やはり真央は明らかに弟の莉央を溺愛していた。

溺愛…真央が莉央に対するソレは弟に対する愛情とは違うことにもすぐに気付いた。


まぁ、あれだけ麗しい弟なら、兄弟以上の感情を持ってしまっても不思議では無いだろう。
兄の真央も綺麗な顔をしていたが弟の莉央は格別に美しいのだ。

兄弟二人して美形だが、莉央の輝きは次元が違っている。

肝心の莉央も、兄弟である真央以外の人間には一切興味を持たない。と、言うか、莉央は兄以外の人間を人間として見ていない。


…とんだブラコン兄弟だ。


だからこそ俺には真央を利用するしかなかった。

しかし真央は親友であるはずの俺にも弟の莉央を紹介する事は無かった。



真央は必要以上に敏感になり莉央に近付く害虫を必死に排除していた。

真央の弟への執着は異常だと感じつつも、俺としても都合が良かった。

何故なら俺が動かなくても真央が虫を払ってくれるから。



さて…そこで大きな問題は二点になった。

一つは天宮真央の存在。
害虫駆除はありがたいけど俺にとっての最大の害虫が莉央の親族という事は色々と面倒だ。


そして最大の問題は俺が密かに欲し続ける存在…そう、莉央そのものだった。


兄の真央に警戒されない様に細心の注意を払いながらも、ずっと莉央を観察していた。


見た目は常に美しいが、何か違和感を感じた。


莉央は絶対に人に心を開かない。

つねに笑顔で、品格良く他人と接している。

俺がこれだけ観察して考えても、莉央を落とす良い案が見つからない。


見れば見るほど美しく、そして不思議な存在だった。




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