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僕が内心で憤っていると突然近藤は声を発してきた。
コイツはまた何か僕を侮辱する発言をする気だな!?
次に近藤が口を開く前に心の準備をしなくてはッ!

まともに近藤の発言を聞くと僕のクリスタルピュアなハートに傷が付いてしまう。


…と、そのまえに。後ろから僕を抱き締め、高貴な僕の肩に顎を置くのを止めて頂きたい…。

近藤は先程から僕の背後から華奢な身体をその逞しい両腕で包み込む様に抱き締め身体を密着させてくる。

女神的存在である僕に、こんな恐れ多い事を堂々とやってのけるのは過去現在において彼…近藤だけだ。

しかし近藤の場合、この美麗の僕に触れても興奮せずにアッケラカンとしている。
他の連中と違って、イヤらしさが感じられないのだ。
だから僕も咄嗟に突き放す事が出来なかったのだろう…。

慣れて無い他人からのスキンシップに僕は戸惑うばかり。

今まで他人と距離を置いてきた僕は、こういった対処法が全くと言って良い程わからない。


僕の腰に巻き付く腕はどうすればいい?

“離したまえ!愚民が気安く僕に触れるでない!無礼者がッ!!”…そんな言葉を発せられる訳もなく途方に暮れていると近藤が言葉を続けてしまった。



「莉央って本当にナルシストだよな。自分ばかり可愛いがってアホの子みたいだ。…莉央、正面の鏡を見てみろ」


やはり近藤は僕を馬鹿にした発言をした!

聡明な僕を“アホの子”だとッ!?

許せぬ!


腹が煮えくり返る思いだったが近藤の言う通りに目の前の鏡を再度見た。


「?」

麗しい僕と、僕の美しい顔のすぐ横、肩に顎を乗せている近藤の二人が映っているだけだ。


鏡の中の近藤と目が合うと奴はニヤリと笑った。




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