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☆★STAR★☆
3

俺が可愛いはずないだろ!


すると浜田君は俺の瞳を真っ直ぐに見つめた。

「歩夢先輩はスゲェ可愛いっす!…天然な歩夢先輩の事だから無自覚なんだろうけど……それにしても人の心をかき乱し過ぎです。俺や加藤さんだけじゃない、歩夢先輩は人の心を奪いすぎです。しかも無自覚だからタチが悪いです」

「俺が…?」

「そうです。少しは自覚して下さい!歩夢先輩は無自覚に人を魅了しすぎなんです!」

「魅了!?俺が?…そんな事無いと思う!!俺…人を魅了できる人間じゃないよ!特別に顔が綺麗やカッコイイ訳でも無いし、運動神経も頭も多分で普通より下だし、身長だって高くないし……性格だって臆病でヘタレで根性無しだよ?俺に魅力的な所なんて一つも無いよ!!冗談やめてよ浜田君っ!」

自分で言ってて悲しくなるくらい俺って本当に情けない人間だな。

秀でた所や自慢できるモノが何も無いぜ...マジで残念だ。


俺、残念賞!


「冗談なんかじゃないです!」

「ぇ?」


「冗談無しでマジで歩夢先輩は魅力的です!」


「……。あぁ…、有難う浜田君。残念な先輩を褒めて自信を付けさそうと、ヨイショ!してくれるのは凄く有り難いけど、そこまで必死に言われると傷つくって言うか何て言うか…浜田君の優しさには感謝するよ」

「はい?」

今度は浜田君が疑問符を浮かべた。

「いや、だから俺なんかを褒めてくれてサンキュー!でも、無理に褒めてくれなくても良いよ「歩夢先輩ッ!!」」

俺の言葉は途中で浜田君の強めの口調でさえぎられた。


俺は驚いて浜田君の顔を見上げると、浜田君は困ったように微笑んだ後、無言で抱きしめた。


「浜田君?」

「歩夢先輩って…バカですよね?本当、バカです」

「はっ!?喧嘩売ってる?…俺、自他共に認めるヘタレだからケンカ売られても買いませんよ。俺vs浜田君の喧嘩は喧嘩にならないと思うよ、リンチだねリンチ」

浜田君に喧嘩で勝てる気がしない!

…そんな俺の発言を聞いた浜田君は俺を抱きしめたまま爆笑して俺の体をギューーッ!!!と、さらに強く抱きしめた。


…若干、苦しいです。


「歩夢先輩、マジうける!この状況で、その発想ありえないっすよ!ってか俺が歩夢先輩を殴るなんて絶対に無いので安心して下さい。むしろ身を挺してお守り致しますよ?…歩夢先輩可愛すぎて本当ヤバイっす!」

浜田君は俺の身長に合わせて屈むと顔の位置を同じくしてマジマジと俺の顔を覗き込む


「歩夢先輩は自分の魅力に気付いてないからバカって言ったんです」

微笑んだ浜田君はあやす様に俺の頭を撫でた。

俺、完全に…後輩に子ども扱いされてないか?


ちょっとムッ!として唇を尖らせて不機嫌な顔をした俺を見て、目を細めて笑った浜田君は、頭を撫でていた手を下ろして人差し指で軽く俺の唇に触れた。


「怒った顔も可愛いです。…ちなみにバカって言った事に対しては謝りません。こんなにも人を惹きつけさせておきながら無自覚って卑怯ですよ?俺は凄く苦しんでいるんです!歩夢先輩が可愛すぎて俺、胸が痛いです。」


浜田君は言葉を続けながら俺の唇に触れる指を動かし、唇を撫でるように指先で弄くる。


「歩夢先輩に自覚が無くても、俺は歩夢先輩を見るたびに胸の奥が締め付けられる様に痛むんです。貴方のそばにいるだけで鼓動が早くなって、こうして触れているとドキドキして、もっと、もっと触れたくなる」

「んぁ…っ!?」

唇の表面を触っていた浜田君の指が俺の咥内に侵入して口の中のヌメった粘膜の感触を愉しむかのように擦る。

俺はどうして良いか分らず困惑しながらも浜田君の指を噛まない様に口を開けている。


−ぴちゃっ-くちゅ…


浜田君の指が涎の溜まった俺の咥内を掻き回す水音が狭く静かな空間に鳴り響く。


「触れれば触れる程、気持ちが高揚してもっと触れたくなる。欲情して次を求めたくなっちゃうのは、健全な男子たるもの仕方の無い事ですよね?」

「?…ぁ、はぁっ…」

浜田君は指を抜き取ると、俺の唾液まみれの指を自分の口元に持っていき視線は俺を見たまま舌を出して舐め取った。


こんな色っぽい表情の浜田君を始めてみた。

何だかわからないけど凄くドキドキ…する…。

指を舐める舌がエロくて、俺を見る視線が熱くて、後輩の浜田君は俺なんかとは比べ物にならない位、凄く大人っぽく見えた。

何故だか俺は見ちゃいけないモノを見てしまった気がして浜田君からわざとらしく視線をそらした。


「あゆむ先輩」

呼ばれたから思わず条件反射で振り向くと浜田君は首を少し傾けて俺に微笑む。

「?」

え?何?何ですかッ!?その笑顔の意味がわかりません!!




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あきゅろす。
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