☆★STAR★☆
友達
「何って?…ちゃんと濡らさないと歩夢が辛いだろ?しっかりとココを解して、柔らかくしてからヤるから安心しろよ」
「…ぇ?もう、終わったんじゃ…ないの??」
「何言ってんだよ?本番はこれからだろ!」
「ほ…ほんばん…?」
「まさか野郎同士のセックスを知らない訳じゃないだろ?…今から歩夢のアナルに俺達のマラを挿入しまーす!」
阿部の言葉に俺は絶句した。
「歩夢…そんな、此の世の終わりみたいな顔をするなよ。俺らも頑張って歩夢を気持ち良くさせるから、痛くしないように頑張るから安心しろよ!」
違う…快感とか、痛いとか、そう言うのが心配じゃない!
根本的に違うんだ!
そんな簡単な事じゃない。
阿部たちは俺と最後までやるつもりだけど、俺にとってセックスってそんなに簡単な事じゃない!
彼らに体を貫かれることを想像するだけで、胃がムカムカして吐き気がする。
嫌だ!絶対に嫌だ!!
好きな人のじゃないと受け入れられない。
受け入れたくない!!
阿部や小野沢、小峰達と交わるなんて…想像するだけで気持ちが悪い。
それに、今、一瞬にして慶斗や加藤、キングや杉田君達の顔が走馬灯の様に脳裏に浮かんで、胸が一段と苦しくなった。
俺の事を大切にしてくれる慶斗や杉田君…俺の事を真っ直ぐに好きだと言ってくれた、キングや加藤、浜田君。
彼らの顔が自然と思い浮かぶ度に、阿部達を拒絶したくなる気持ちが膨れ上がっていく。
このまま犯されたら、俺…立ち直れなくなるかもしれない。
「お願いだから止めて…止めて、お願いだから…止めて」
俺の瞳からは次々と大粒の涙が流れていた。
震える声で、肩も震わせて、号泣しながら3人に悲願した。
「もぅ、止めてよ…お願いだから…怖いよ、嫌だょ…」
「歩夢…」
俺の泣き顔を見た3人も辛そうな表情になり、俺の局部に触れていた阿部の指が止まった。
そして俺の両足を広げ固定していた小峰がゆっくりと俺の脚を下ろすと握っていた足首を離した。
「真輝、怖がらせて御免。本当は真輝と最後までシたいけど、このまま強姦して真輝を傷つける気にもなれない」
3人は沈黙の後、お互いに顔を見合わせると無言で頷いた。
「歩夢、どうやら俺ら本気になったみたいだ。」
「・・・??」
「遊びや精の捌け口としてじゃなくて、何て言うか…くさい言葉だけど、歩夢を大切にしたい!体だけじゃなくて心も欲しい」
「…ぶっちゃけマジで真輝とは、このままセックスしたい。けど、もし強姦しちゃったら後々とても後悔しそうって言うか…真輝を傷つけた事で俺が鬱になりそう」
「そんな顔して泣かれたら、俺らも辛くて手が出せないよ」
3人とも、辛そうな顔をして次々と口を開いていく。
「ごめん歩夢、許してくれるなんて思ってないけどゴメン」
「真輝、本当にすまない。嫌な思いをさせて申し訳ない」
「歩夢!図々しいかもしれないけど…頼むから俺の事を嫌いにならないで欲しい。…友達の俺達から強姦まがいな事をされて、怖くてショックだったよな?ごめんな。マジでゴメン!」
「みんな…」
確かに、とても恥ずかしくて怖くて強引に酷い事をされたけど、何故か俺は3人に対して“ありがとう”と思ってしまった。
彼らはもともと優しくてクラス内では思いやりもあるアホ仲間だ。
何故この様な状況になったかは理解出来ないが本来なら俺の友達、大切なクラスメイト。
彼らは本気で嫌がる俺の気持ちを汲んでくれた。
嫌な事をされたけど、人としては結構良い奴らだし、本当に申し訳無さそうな表情をして謝る彼らを見て思った。
全部許してやろうと…。
だって、俺より苦しそうな顔して謝る彼等に対して今後、攻める気にもなれない。
今日の事は無かった事にして明日からはまた教室で笑いあいたい。
「ごめんな歩夢。手の拘束も痛いだろ?今縄を解いてやるからうつ伏せになれ」
「…うん」
指示通りうつ伏せになると小野沢が俺の縄を解き始めたその時…
−ガラッ!!!
突然、俺の背後に有る扉が開かれた音に、俺は心臓が止まった……と思った。
恐らく、3人も同じ心境だと思う。
最後に入った奴、誰だか知らんが鍵を閉めていなかったらしい…。
「コラッ!!!おッ、お前達いったい何をしているッ!!!!?」
校内見回りをしている教師の声だろうか、この異様な状況を目撃した先生の声が裏返っていた。
全裸で両腕を縛られて、おまけに全身が精液でドロドロになった一人の男子生徒が、明らかに加害者と思われる男子生徒3人に囲まれている。
まさに、イジメか何だかよく解らない状況を現行犯で目撃しちゃった訳だから先生の声も裏返るはずだよ。
ってか、終わった。
教師にこんな姿を見られるなんて…俺の健全なる学生生活が終わった気がした。
最悪だ。
3人も顔面蒼白になっており、たぶん俺と同じ心境だろう。
最悪。
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