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目が合うなり浜田君は急に俺を強く抱きしめた。

「えっ、ちょっ!浜田君ッ!!?」

俺は訳が分らず浜田君の名前を呼んだ。

ってか、俺の下腹部に浜田君の硬いアレが…当たってるんですけどーーーッ!!


「俺…加藤さんの事、マジで尊敬してるし信頼してるし中学の時に忠誠を誓いました」

「え?加藤?……うん、第三者の俺から見ても浜田君が加藤を慕っている事はよく分るよ」

…って、え!?
この状況でいきなり加藤の話?

意味不明だけど何となく俺は浜田君に話を合わせた。

浜田君は体を離すと、俺の顔を真っ直ぐに見て話し始めた。

「はい。俺、加藤さんの事マジで慕っています。強いし、男として筋が通っているし、俺の憧れの存在で目標でもあります…だから加藤さんを裏切る事は死んでもしたくない…いや、出来ないと思っていました。でも俺、加藤さんに謀反を起こしそうです」

「む、謀反!?」

むほんってアレだよな?よく時代劇とかで武士が主君に背いて反乱を起しちゃったりするアレだよな?現代の高校生、しかも浜田君の様な髪も染めてる今風の男子の口からこんな古風なセリフが出てくるとは思わなかった。

ちょっと面白くて笑いそうになってしまったが真剣な顔をしている浜田君に悪いから我慢して俺も真剣な表情をした。

だが、こんなにも尊敬している加藤に対して何故?

素直に疑問の表情をした俺の顔を上から見ていた浜田君は俺の顎に指を宛がう


「俺は加藤さんを本当に尊敬しています。でも、そんな加藤さんを裏切る行為と分っていても自分を止める事が出来そうにありません」

「ん???」

余計に意味が分りませーん!

多分、今の俺と浜田君、会話のキャッチボールが出来ていないよね?

続けて俺の頭の中はクエスチョンマークだらけ、そんな俺の顔を間近で見ている浜田君は


「中学の時からずっと歩夢先輩の事を見ていました。入学式の時に初めて歩夢先輩を見たときからずっと可愛い人だと思ってました。この気持ちが加藤さんにバレてしまうのが怖くてずっと歩夢先輩とは接点を持たず喋りかける事すらしませんでしたが、ずっと貴方を見てました」

「え?」


「加藤さんが歩夢先輩に抱きつくたび、俺も歩夢先輩に触れたい、抱きしめてこの腕の中に閉じ込めてしまいたいと思っていました。ずっと加藤さんに遠慮して自分の衝動を我慢してましたが…」

浜田君の言葉にキョトンと呆けている俺の顔に浜田君の綺麗なお顔がだんだん近づいてきて…


チュッ!


軽く唇が触れて、下唇を吸われながら小さく音を立てて離れた。


・・・あれ?

今、キスされました?

今のってキスですよね!?


駄目だ…頭が混乱して現状を理解できない!

俺は目をパチクリさせて、まばたきしていると


「歩夢先輩が可愛すぎるから俺、尊敬する加藤さんを裏切ってしまいそうなんです。マジでヤバイっすよ!歩夢先輩…何でそんなに可愛いんですか?」

「はいッ!?いやいや俺、全然かわいくねーしッ!」

ってか、浜田君さっきから超意味分らない!!


何言ってんの?
何してるの!?

浜田君の言葉と、いきなりのキスに戸惑ってしまう...、訳が分らず俺の小さい脳みそはショート寸前!


とりあえず、やっとの事で受け答えをする。


可愛いと言われたから、正直に俺は真顔で可愛くないと答えた。嘘偽り無い俺の本音だ。




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あきゅろす。
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