☆★STAR★☆
hamada
俺は無言で顔をそむけた。
するとアゴをつかまれて無理矢理浜田君に向き直された。
「顔真っ赤!歩夢先輩って反応も、いちいち可愛いっすね!本当に全てがカワイイっす!」
浜田君は意味不明な事を言って微笑んで、俺の火照った頬を両手で包み込んだ。
俺に優しく触れる浜田君の掌は良い感じに冷たくて気持ち良かった。
「あゆむ先輩、次の停車駅で降りましょう?」
「つぎ?」
頭にクエスチョンマークを沢山浮かべていたら、俺のすぐ後ろの扉が開いた。
すると浜田君は俺の持っていた鞄を自分の肩にかけると・・・
「わわっ!」
俺まで持って…じゃなくて、俺を抱っこして急ぐように電車から降りると走って階段を降りた。
人が多い場所で抱っこされるのは実に恥ずかしい…しかし、抱かれながら階段を急降下されるのは凄く怖くて俺は思わず浜田君の首に腕をまわして彼にしがみ付いた。
以前キングにも抱っこされながらのハイスピード階段降りをされた事が有るが、コレ本当に怖いんです!
長い階段を下り、浜田君が真っ先に向かった先はトイレだった。
身体障害者用の広めの個室に入ると浜田君は内側から鍵をかけて俺をゆっくりと降ろしてくれた。
「乱暴に走ってスミマセン。歩夢先輩!ここなら落ち着いてヌけますよ?」
「ぬく?」
・・・あぁ・・さっきの勃起に気付いた浜田君が気を利かせて俺をココまで運んできてくれたのか。
あいかわらず先輩思いの素晴らしい後輩だ・・・しかし、先程の階段ジェットコースターの恐怖ですっかり元通り・・・元通りどころか萎えるのを通り越して、俺のJrも主人同様チキンのようで恐怖で縮こまってしまっている。
情けない・・・
「浜田君、わざわざ気を使ってくれて有難う!勃起も治まったみたいだし大丈夫だよ。ってか痴漢されて勃起しちゃうって最低な先輩だよね・・・恥ずかしいから二人だけの秘密にしてくれる?」
照れ隠しに俺は頭を掻きながらヘラヘラと笑ってみせた。
すると浜田君は荷物掛けに俺の鞄の紐を掛けると、向き直り俺に近寄ると両肩に手を置いた。
「あゆむ先輩の勃起が治ったの……残念です」
「え?」
驚いて浜田君の表情を伺うと、何故か切ない表情というのか・・・眉間に少しだけ皺を寄せて長い睫毛を伏せるように熱い視線で俺を見下ろしていた。
「ごめんなさい歩夢先輩・・・、俺のが…」
俺の肩にあった浜田君の手は俺の腕を滑る様に下り、掌を掴むと…浜田君は俺の手の平を彼の股間へと誘導した。
「ッ!?」
「歩夢先輩を抱きしめていたら俺の方が勃起してしまいました」
眉尻を下げて申し訳無さそうに言う浜田君、彼によって導かれた俺の手に伝わる感触・・・言葉通り浜田君のソレは硬くなっていた。
ビックリして視線を浜田君のソコに向けた俺は再び顔を上げて浜田君の顔を訝しげに伺い見た。
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