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☆★STAR★☆
一か八か

キングが俺の胸倉を掴みあげる。

二年の俺よりもかなり高い身長のキングにより持ち上げられた体。

足が地に付いてない。

首元がハンパ無く苦しい。


そして



キングが空いている片腕を振り上げ殴りかかろうとした瞬間・・・俺は叫んだ。




「あげますッ!!!」
キングの腕がピタッと止まる

「はぁ?」


キングが疑問の声をあげる、無理も無い。


俺は言葉を続ける


「真輝 歩美の非売品、完全プライベート写真!」


こんなんでキングが釣られるとは思わないが・・・



「・・・・・」



「・・・・・・」
お互いに沈黙が続く。




「本当か?」


つ、釣られたーーーーーーーッ!!!!


俺はゆっくりと床に下ろされ、肺いっぱいに空気を吸い込み呼吸を整える。

「本当に持ってるんだろうな?」

俺はロックバンドのライブの最前列にいる観客のごとく激しく首を縦に振る。

「嘘だったらグチャグチャ所じゃ済まないよ?」

爽やかな表情で言うセリフじゃありませんから!
グチャグチャ以上って何が有るの?

ミ、ミンチとか?

ギャーーーーーーーーーッッッ!!!
…恐ろしすぎて、これ以上思考が働きません!


「う、嘘じゃないです!」



たしか財布に家族写真が入っていたはずだ。
俺は慌てて尻ポケットから財布を出した。

・・・待てよ。


俺は途中で動きをピタッと止めた。

家族写真なんか渡してしまったら俺が真輝歩美の弟だってバレてしまう・・・そして俺の直感が告げる。


“こいつにだけは知られてはならない”


一般の人にバレるよりも、今キングに知られる方が遥かにリスクが多い気がする。


俺は変りになるものは無いかと財布をあ探りながら考える。


ヤバイ・・・普通に考えて、俺が姉の写真なんて持ち歩くはずがない。


チロリと視線を上げればキングと目があった。


超怖ーーーーーーーーいッ!!!


さっきから穴が開く程、顔に視線を感じると思ったら案の定キングは無言で俺の顔をガン見していました。


ヤバイ、非常にヤバイ!どうにかしなくては!


・・・・・!


財布を探っていると家族写真とは別に古い写真が出てきた。


これは・・・



一か八か!!
俺は意を決し写真をキングに差し出した。



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