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捧げもの

 あいつをこの場から逃すと、俺はクソガキを睨む。

「何だお前は。」
「それはこっちのセリフだがな。」
「よそ者が……。」

 憎々しいと目が言っている。
 だけど、それに怯むほど俺の神経は柔じゃない。

「てめぇが何を考えているのなんか俺にはちっとも分かりはしねぇが、それでも、あいつを苦しめるんなら相手をするぜ?」

 俺の本気が伝わったのか、馬鹿は顔を引きつらせた。

「俺は確かにお前の言うよそ者だ、だけどな、あいつにとってただの迷惑者はよそ者よりも嫌われているんだ。」
「ぐ……。」
「あいつにこれ以上嫌われたくなければさっさと改心しろ。」
「くそ……覚えてろよ。」

 完全に雑魚キャラの捨て台詞を言って逃げていく馬鹿とその取り巻きはあいつの店から出ていった。

「父さんが奥にだって…あれ…あいつら帰ったの?」
「ああ。」
「……よく簡単に帰ったわね。」

 目をパチクリとさせる彼女に俺は自然と柔らかな笑みを浮かべた。

「まあ、どうでもいいけど、ほら、中に入って。」

 俺を中に促し、彼女は奥で待つ彼女の父親の元まで案内をしてくれた。

「それにしても、貴方と父さんいつの間に話すようになったのよ。」

 自分の知らないところで知り合っていた事が面白くないのか彼女は唇を尖らせた。

「何だ、嫉妬か?」
「…誰に対してよ。」

 呆れたような顔をする彼女はさっさと扉を開けて父親の待つ部屋に俺を突っ込んだ。

「じゃ、ごゆっくり。」

 無情に扉を閉め、俺は茫然と扉を見た。

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あきゅろす。
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