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ダークネス・ゲーム

 友梨はその日、勇真と共に、町内を散策していた。
 因みに、美波と涼太は涼太の怪我がまだ癒えていないので、勇真の家で待機中、智里と昌獅は友梨たち同様散策をしている。

「勇真さん。」
「何かな?友梨ちゃん。」

 友梨は勇真の笑みを見て、微かに頬を赤く染めた。

「……あの…勇真さんは彼女とかいるんですか?」
「え?」

 友梨は本来訊こうとしていた質問「勇真さんはいつから、一人暮らしをしているんですか?」をすっとばし、何故か一番訊きたかった事を口にしてしまった。

「…え…あ、その……。」

 友梨は自分が口にした言葉を思い返し、顔を熟れたトマトのように真っ赤になった。

「ま、間違えましたっ!!」
「ふっ……くくく……。」
「あの……。」

 突然笑い出した勇真に友梨は戸惑いを見せる。

「ごめん、ごめんね。」

 笑いを堪え、勇真は柔らかく微笑んだ。

「さっきの質問の答えは昔はいたよ。」
「……。」

 勇真の表情が翳った事に、友梨は敏感に感じ取り、何とか話を逸らせないかと、ない頭を悩ませるが、勇真はさっさと話してしまう。

「昔…そう……四年前まで…。」
「あの…すみません、私から言いだしたことだけど…深い内容なら…別に…。」
「…よければ聞いてもらえるかな?」

 悲しげに微笑む勇真が痛々しくて、そして、友梨も彼の事が知りたかった、だから、思わず頷いてしまう。

「それじゃ、向こうの公園でもいいかな?」
「はい。」

 友梨は話を聞き終わってから、この選択を悔やむようになるとは、この時は思ってもみなかっただろう。

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