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▼不可領域
親しい仲間が卒業祝いのパーティーを開くことになった。
同じ学年にあたる人間だけを集めて海辺の近くにあるホテルを貸し切り、
立食をしながらそれぞれに思い出を語らう…というのが概要だ。
何でも当日は会場に大きなシャンパンタワーを設置すると聞いているから、
少なく見積もってもかなり金を掛けた催しになるんだろう。
まあ、学生最後の豪遊といったところか。


僕も一応は出席することにしているが、どんな服装で行くかまだ決めていない。

卒業パーティーは来週。
残された時間は後わずかだ。

いいかげん街へ出て手頃なタキシードを揃えてくるべきなんだろうが…
もともと着飾ることにあまり興味のない性格なんだ。
それに店員と話をすることを考えると
どうも気が進まなくてさ。ふう。


司会進行をやる仲間は、薄茶色の全身タイツに身を包んで
桃色の団子を頭にかぶるらしい。

「緑と白をかぶってくれる奴を募集してんだ。
したら三色団子ができるだろ」

だから着るもんに迷ってるなら俺と一緒に三色やろうぜ。
要は人員募集の誘いだ。


当然断ったが気にかかったので一応訊ねておいた。

「ちなみに会場のどこで着替えるつもりだ?
まさか自宅で着てそのままタクシーに乗るつもりじゃないだろうな」

そんなことはしないと腹を立てた仲間の台詞はこう続く。

「俺は電車に決まってるだろ!」

同じだ!


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