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繋ぐ手(甘々)


通学時、隣を歩く拓の手にボクの手がトンッと軽く触れた。



…ドクドクドク…



心臓がうるさくなって、ボクの頬は赤く染まる。


「なぁ…尚」


おさまれ!


おさまれっ!!


拓に聞こえちゃうよ…


「…ぇ……っか…?」


手が当たっただけなのに、ボクは身体まで熱くなってる。


「……尚、どうした?」

「ぅ、ううん!何でもないよっ」


ボクの顔を覗き込んで来る拓の綺麗な顔が直視できなくて、外方を向いてしまった。


恥ずかしい。


絶対変だと思われたよ。


「ふーん。ならやめよ」

「え!?なにが?」


何の事だろう?


何の話ししてたのかな?


ドキドキし過ぎて聞いてなかったよ。


ボクのバカ!


「もういいよ。尚全然聞いてなかったし」

「ご、ごめん!ちゃんと聞くから…だから、ね?教えて?」


拓はボクがしたようにふいっと外方を向いて、


「今回だけだからなっ!」


と言って、ボクの右手をきゅっと握った。


「あっ」


指が絡んで、なんか複雑な鍵みたい。


きつく繋がれた手は、ちょっとの事じゃあ離れなさそうで。


嬉しくて、またボクは身体中熱くなった。


拓も、耳が真っ赤な気がするのは、


ボクの体温が伝わったからなのかな?


それとも、


照れてくれてるのかな?


なんか可愛い。


「拓、さっき…何て言ってたの?」

「………」

「ねぇ、何て言ったの?」


ボクが尋ねれば、拓の耳はもっと赤くなっちゃって、可愛くて楽しくて、


「言わないなら…」



―――――チュッ



少し意地悪をしてしまった。



「バカっ!こんな所でキスなんかするなよ!!」


ボクがキスをした頬を手で押さえて怒る拓。


でも、繋ぐ手はしっかりと握られていた。


「ふふっ…拓ってツンデレだったんだ?」

「はぁ?何だよツンデレって」

「んー?知らなくていいよぉ」

「教えろよ」

「そうだね、主導権をボクに譲ってくれるならいいよ?」

「……っ!」


まさに、ボッて言う効果音が出そうな程顔を真っ赤にした拓。


やっぱり、たまには主導権を握りたいなぁ。


本当はボク、タチなんだよね。


いつか絶対襲ってやろう。


まだ、顔を真っ赤にしながらプンプン怒っている拓だけど、



繋いでいる手は、学校に着くまで離される事はなかった。




ずっと繋いでいようね?



ボクは拓を離したりしないよ。



拓の身体がボクのモノになるまで。



「てのはウソだけど」

「何?」

「んーん。独り言〜!」


ボクのモノになっても離したりなんかしてやんない。


それまで、頑張ってネコを演じますか。





楽しみだなぁ…




拓が乱れるの。




それまで、この手は優しく繋いでおこう。






END



―――――――――


後書き的な。


久々のグダグダ短編です。
全部グダグダなんですけど(汗)

受けに見せ掛けて尚は実はタチだったってオチ。

甘くなってるか不安ですが、私にしたら激甘です。

書いてて恥ずかしくなりました。




こんな感じでまた書きます。



2010・06・01



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