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御免なさい。
もう許しを乞うことも顔色を伺い怯えながら生きることには疲れてしまった。
あなたが居なくても、(きっと)僕は生きていける。
生きていけるはずなんだ。誰かが死んだって、無視して時間は廻るから。
僕の世界から排除してしまえば貴方の存在とて塵。

さよなら、大好きなひと。






闇を殺すのは光、けれど闇を生み出すのもひかりなのだと本当は知っていた。

光は僕の瞳を焦がす焼いてしまうそれはそれは鋭利な刃物のように抉り出す。
傷を傷跡を、影をなぜそのままにしておいてくれないのか。

貴方の示す光はいつも眩しすぎて涙が出そうになるんだ。


真っ暗な闇の底で生きる俺をこれ以上照らしてくれるな。






金のために生きる女、復讐のために留まる男

埃が積もり、ところどころが壊れている廃墟ビル。
出入りする者もとうに無く、朽ちるのを待つだけのそこを訪れたM.Mは、蜘蛛の巣と埃に塗れた扉を蹴り開けた。

息苦しいほどの埃と塵、黴臭い空気に眉をしかめながらM.Mは割れた硝子に注意して人影の見当たらない部屋に足を踏み入れる。
途端。
空気が、がらりと変わった。

先程までなにも無かった空間、古ぼけた安楽椅子に座る、男。
座っている椅子の背凭れが男を透けて覗く。
それに臆する様子もなく、M.Mは営業用の笑みを浮かべた。


「はじめまして、貴方がロメオ?」
「…お前は?」
「私はM.M。ビジネスの話をしに来たの」
「………」
「とある人を監獄から助け出す手伝いをして欲しいのよ」






銀色を見るたびに思い出す。

その一瞬、彼の心は絡め縛られる。呼吸が出来なくなるほどのパニックを起こして、肋骨が軋んでいる。
痛みは手にとって分かるほど。見えるほどに。
けれど、それでも。そんなこと微塵も感じさせずに君は笑うから。

俺は今日も必死に気付かない振りをする。

後遺症。





一番底まで沈んだら後は浮かび上がるだけだ。

底に沈む残骸たちが貴方にはよく見えるでしょう。
それをどうしたいのか、選ぶのは貴方自身。

(痛みを伴わないで得られるものなどたかが知れているよ)

それでも必死に取り替えそうと奪われないようにと、抗う貴方のことは嫌いではない。







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