涙の色など知りえない (ベルとマーモン) 涙色ってどんないろだとおもう? 時折マーモンは突拍子もないことをいう。 ベルフェゴールは作業を一旦止めてマーモンを見た。 そのまま椅子から立上がり伸びをする。デスクワークは面倒臭い。 積まれた書類にうんざりして、ふと閃いたと両手を合わせた。 ぱん、と軽い音。 「マーモンが泣けばわかるんじゃない?」 「嫌だよ」 「じゃあスクアーロでもなかせようか」 ベルフェゴールは(確信犯だ)そう言って、書類の山を漁って数枚を掴む。 本来スクアーロの手に渡るべきモノ。 あまりにも仕事が多いと度々手違いがおこる。 ベルフェゴールは「うしし」と奇妙な笑い声をあげてマーモン言った。 「答えがわかったらマーモンにも教えてあげる」 困った王子の好奇心レーダーのスイッチをいれてしまったマーモンは幸の薄い傲慢鮫の心配をしてみることにした。 <> |