意地悪なキミ 16. 「綾斗!!」 「恭!」 綾斗が俺の声に振り返る。 そこには、いつもの綾斗の笑顔があった。大好きな笑顔。この笑顔を失いたくないんだ。 「綾斗!俺、俺、ごめんな!」 言えた。ずっと謝りたかった。 「恭...、謝るのは俺の方だよ。ごめんな」 髪を優しく撫でられた。たった一日なのに、懐かしく感じる。 「綾斗...部屋来る?」 恐る恐る聞いてみた。家に帰るって言ってたし、無理かな...。 「うん」 「嘘、いいのか?家に帰りたかったんだろ?」 「恭と一緒にいたいんだ。俺は恭の隣にずっといるよ。だから恭も俺の隣にいて?眠ったっていいんだよ」 「綾斗...知ってたのか。俺も!俺も綾斗の隣にいる!」 「恭」 「なに?」 抱き寄せられ、綾斗が耳元で囁いた。 「愛してる」 綾斗、もう離れないで。 綾斗、愛してる。 fin.... [*前へ] [戻る] |