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The BasketBall Which Kuroko Plays
☆△ドッキリなのです 【11/21 高尾 和成】













『……』

「〜〜♪」

『………』

「〜〜♪〜〜♪」




何なんだろう、この状況

和成が私の事を後ろから抱き締めたまま、もう一時間位経とうとしていた
しかもなんか上機嫌だし、鼻歌まで歌っちゃってるよ?




『あ、の和成……?』

「ん?どうしたの、美那ちゃん」

『もうそろそろ離して頂けるとありがたいのですが……』

「ヤなのだよ!」

『何で!?……じゃあ、何でそんなに上機嫌なの?』

「え、俺そんなに顔に出てる!?」

『無意識でずっと鼻歌歌ってたの!?』

「マジか!!」




鼻歌無意識って……!
ある意味スゴいんですケド!?

まぁ、顔も嬉しそうに笑って(つか、ニヤけて)るから直ぐに分かるんだけど
……理由なら一個だけ思い当たる事がある


―――今日は和成の誕生日だ




「今日何の日だか分かる?」

『っ!…………さっ、さぁ……?』

「えー!?マジで分かんない?」

『っうん、知らない、かなぁ……?』

「………ホントに?」

『っう、う…ん……』




あ、しらばっくれるの結構辛い
胸がめっちゃ痛い、キリキリする
ゴメン、和成!!
ホントはちゃんと覚えてるよ!

真ちゃんと話してドッキリの企画していて、今言うわけには…!
まぁ、真ちゃんが乗ってくれたのは意外以外の何者でもないんだよね……


あぁ!そんな悲しそうな顔もしないでぇええええっ!!
メチャクチャ罪悪感湧くから!
直ぐに言ってあげたくなるからぁああああっ!!




「む…………もういいし!」

『あ……和成!?』




剥れてどっか行っちゃったんですけど……!
不貞腐れて、可愛かったケドも!

そう思っていたら、不意に携帯の着信が鳴った。
ディスプレイには真ちゃんの……緑間真太郎の文字が表示されていた


私は電話なんて珍しいなー、なんて思いながらでた




『もしもし、』

[おい、お前高尾に何を言った?]

『は?』

[何か言ったのだろう?]

『あー……和成に今日何の日?って聞かれて答える訳にもいかないから知らないって言った』

[まぁそんなものだと思ったのだよ……]

『何でー?』

[今、高尾が、俺に、愚痴を言ってきてるのだよ……!……しかも彼女のお前に忘れられていると思ってるからハンパないのだよ]




うわー……和成ってば……
真ちゃん御愁傷様

真ちゃん同様、バスケ部の先輩たちもドッキリを知っているので、皆聞かれても知らないとシラを切るのだ
そこに私が最後のトドメになったらしく、こうして真ちゃんがメールではなく電話をしてくるということはよっぽどなのだろう




『真ちゃん……ガンバ☆』

[ウザいのだよ、さっさと収集をつけに来るのだよ!]




ブチッ

そう言い残して、真ちゃんは乱暴に通話を切った。

いや、収集をつけろって……
どうやって!?
ドッキリなのに!どうしろと!?


はぁ……
こうしても始まらないから、真ちゃん達の所行きますか……




****




「―――でさ、……真ちゃん聞いてる?」

「あぁ、聞いてるのだよ……」

「でも、心此処に有らずって感じだよねー……」

「別にそんなんじゃないのだよ……」




ガラッ

不意に後ろの教室のドアが開いたので、軽く視線を動かしたらやっと待ち人が来たのだよ……




『真ちゃーん!』

「……何だ、美那」

『イヤイヤイヤ、ソッチが呼んだんでしょ?電話までするとはよっぽどらしいケド?』

「正直に言えばお前が来たお陰で解放されて嬉しいし清々したのだよ」

『正直過ぎだろ、オイ』




え、何この人
こんな正直にベラベラと話す人だっけ?
今回の和成の愚痴は真ちゃんの性格をも変えてしまう程なのか……

これは私でも骨が折れそう……




「もう、バラしてもいいんじゃないか?先輩たちも見ていられないという感じだったぞ」

『そーだねー……もう流石にコッチがメンタル持たんよ……』




****




何だよ、アレ
ウチのクラスに来たと思ったら、真ちゃん呼んで楽しそうに話してやがる……

俺はどーでもいいのかよ
俺の、
……俺の誕生日、覚えてなかったし

俺だけ期待してたのが軽くバカに思えてきた
しかも真ちゃんや先輩たちも覚えてなかった
もう俺の心がズタズタだっつーの……


けどさ、そーゆう事があっても……
自分の彼女と他の男が仲良く笑いあって話しているのを見て、嫉妬しない男は居ない訳で――




「真ちゃん、」

「っおい、高尾!?」




気付いたら行動に移ってた




****




え、え?

真ちゃんとドッキリをバラそうと話してる所に和成が来て、真ちゃんの名前を呼んで私の腕を引っ張り和成の腕の中に引き寄せられた
その突然すぎる行為に真ちゃんも驚愕していた。




『か、ず…なり……?』

「真ちゃん、美那は俺のだから」

「はぁ……分かっているのだよ、そんな事など」

「真ちゃんであろうと美那は渡さないからね?」




和成は見た目は普通に笑っているが、笑みが黒かった
しかも、声音的にいつもの冗談めかした感じじゃない

真剣な時の声音だ


真ちゃんは呆れてため息を何度かついた
そして和成が発した言葉が声音で本気だと分かったのか、真ちゃんも真面目な顔になっていた(元々真面目な顔だけど)

真ちゃんはこれ以上は無理だか無駄だか思ったのか、私に目配せすると――




「……高尾、」

「…何?真ちゃん」

「…………誕生日、おめでとう」

「え……?」

「知らないとシラを切ったが本当は覚えているぞ。オレも先輩方も、そしてコイツも」

「……マジで?」

「あぁ所謂ドッキリというやつだな、オレは何気にお前を翻弄出来て楽しかったのだよ」




後は好きにしろ、そう言うと真ちゃんは自席に戻り本を読み始めてしまった

……アレ、私は?
キミはカミングアウトしたけども!
私はどーすれば!?




「……凉夏ちゃん、」

『っは、はいっ!』




しまったぁあああああああっ!
テンパり過ぎて声裏返っちゃったよ!!

和成の表情は下向いちゃってて、読み取れないし!




「………忘れてない?」

『うん!ゴメンね……騙すような事して……』

「っ良かったぁ……」

『え、』

「俺、マジで皆に忘れられてるかと思った……」

『私が和成の誕生日忘れるわけないじゃん!!』




絶対、絶対有り得ない!
私が彼氏の、大好きな人の記念日を忘れるわけないもん!

和成は私の言葉を聞くと、ふにゃりと微笑んで腕を引かれスッポリと腕の中に収まった




「サンキュ、美那!」

『っあ、か、和成!ココ、教室!!』

「あー……まぁ気にしない気にしない♪」

『するってば!!』




皆の視線が……っ!

和成は離す気無いみたいだし、真ちゃんは他人のフリだし!
私もう恥ずかしくてココに居るのもツラいんですが!?
誰か、私をココから解放してぇええええっ!!


………でもまぁ、和成が生まれてきた大事な日だしいっか



















(なぁー、言ってくんねぇのー?)
(な、にを……?)
(真ちゃんみたいに)
(っか、和成……誕生日おめでとう……っ!)
(っ!!……ヤッベェ、美那超可愛い!!)
(ちょっ!?離れて!ココ教室ぅううううっ!!)














――――――――
高尾、誕生日おめでとう!

高尾メインで書くとキャラがだんだん分かんなくなっちゃって、誰だコレ状態……



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