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Dangan ronpa Series
▽君は僕で、僕は僕で。 【苗木 誠】








「……え?」

『えーっと、君は……?』

「そっちこそ誰!?」

『あ、えっと僕の名前は苗木誠だよ』

「えぇっ!?」

『それで、僕にそっくりな君は……?』

「ぼ、僕も苗木誠だよ」

『同性同名のそっくりさん、とか?』

「……これはもうドッペルゲンガーの方が近い気がするよ」

『え!?ドッペルゲンガーってもう一人の自分と会うと死んじゃうんだっけ……!?』

「いや、正しくは死なないはずだけど……」

『そ、そっか……良かった……』

「君と僕は別人、だよね?」

『さぁ……、生年月日とか身長とかそれぞれ違うはずだから違ったら完璧な別人だよね』

「じゃあ、まず誕生日から」

『せーので言う?』

「うん、そうしようか」












それからお互いに違う所はないか言い合った
生年月日は勿論、身長体重と胸囲に血液型それに好きな物や食べ物。好きな音楽や趣味まで色々言い合った
一つぐらい違うだろうと思っていた僕の考えは綺麗に論破された

全て何もかも一寸の狂いもなく一緒だったのだ
加えて家族構成も同じで、家族の名前まで一緒だったのだ


ここまでくると気味が悪い、怖くなってくる
本当に目の前に居る僕そっくりの苗木誠は僕なんじゃないかと、もしかしたら本当にドッペルゲンガー的なものなのではないのかと。












『……ここまで一緒だとかえって少し気味が悪いね』

「そうだね……、怖すぎるよ」

『後、何か確かめられる事はないかな……』

「うーん……」

『んー…、何か思いついた?』

「あ、僕が通っている高校は?」

『希望ヶ峰学園だよ』

「じゃあ、才能は?」

『え、』

「君の才能だよ、僕も一応才能って呼べるものがあるし……」

『えーっと、僕の才能は……』

「才能は?」

『……』

「これが違うなら君と僕は別人ということの証明になる、もし君と僕の才能が同じならもうドッペルゲンガーでもなんでもこいって感じだよ」

『…………』

「……?どうしたの?」

『……っはぁ、やっぱり君は手強いなぁ…君が頭の回転が速いのかそれとも無意識に相手の隙をついて言ってくるのか……。どちらにしてもある意味一番敵に回したくないタイプだよ』











僕が才能を聞いた瞬間黙りこみ暫くしたら今までの言動が嘘だったかのように目の前に居る僕は別人のように話し出した

喋り方も違えば雰囲気も違う、それに気のせいか声のトーンが高いくなり声の質も変わった気がする
ここまできたら別人である可能性が高くなってきた

と、いうより別人でければ僕が困る













「君は、一体……」

『ん?君が聞いて聞いているのは僕、じゃないよね?』

「うん、僕の偽物じゃないよ。僕を真似していた君に聞いたんだよ」

『まずはオーソドックスに自己紹介からしようか、僕、じゃなかった……私の名前は紫嶋ノアだよ』

「え、女の子!?男子じゃないの!?」

『うん、私は正真正銘の女子です』

「僕の真似していたからてっきり男子だと……」

『うーん、君の場合は男が真似するより女がした方が体型や身長的にもピッタリだよ?それに可愛い系だし』

「なんだろう、LIFEゲージがどんどん削られてくよ……」

『あぁっ!ゴメンね、傷つけるつもりはなかったんだ…!』

「あー、うん、大丈夫だよ……」

『苗木クン、目が泳いでるよ!』











頭の整理が追い付かない
彼、ではなく彼女は何故か僕の真似をしていて
そして正論の弾丸で心が今にも折れそうなくらい論破された

……うん、大丈夫。傷ついてない
女の子っぽいとか可愛い系って言われたことやんて気にしてない!












「えっと、本題に入ってもいい?」

『いーよー、僕が聞きたい事は大体分かるからね』

「もう、ややこしいから止めてよ……」

『えへ☆』

「……はぁ、えーっと、何で紫嶋さんは僕の真似していたの?」

『練習だよ』

「練習?」

『そう、私は変装して捜査をする仕事をしてるの。それで知り合いから苗木クンの事を聞いて君を真似てみることにしたんだよ』

「えーっと、何で僕…?」

『話を聞いていて凄く信頼されてるぽかったし、優しくお人好しな人なんだなって思ったの』

「う、ん……否定出来ない……」

『で、私はそういう人を真似た事が一度もなかったの。そこで貴方の話を聞いた私は貴方のような優しい人の気持ちが分からなかった、だから真似をして気持ちが分かるか試したの』

「で、でもさ、それだけで気持ちが分かるの?」

『完全には分からないよ』

「じゃあ、」

『でもね、君がいつもどういう感じなのか、どう周りから思われているのか、君の暖かな気持ちが少しは分かったら気がするの』

「え……」

『君は優しい人だ、自分に関係無くても関わっていってしまう。時には痛い目にあうけど必ず周りから感謝されていて頼られてる、それは本当に優しい人にしか出来ない事だよ』

「そんな事……、皆僕に優しくしてくれるし僕だけが優しいとかそんな事ないと思うんだ」

『人の優しさの多くは下心だよ、でも君は何も考えてないだろう?悪く言えば考え無しに問題に突っ込む馬鹿だよね』

「うっ……」

『でも、私はそれで良いと思うんだ。それが君らしいと真似てみて分かったから』

「あり、がとう?」

『プッ、何で疑問系なの?』

「えと、なんとなく」












僕はこの子に勇気を貰った気がした
実は最近色々あって悩んでいた

そんな時僕に変装した彼女に出会った
僕は超高校級の幸運なのに、不運と言われる事が多い
だけど今初めて自分の才能に感謝した気がする



僕に真っ直ぐに面と向かって言ってくれた彼女もとても優しいと思う
だって人の多くは自分が傷付くのが怖くて、嫌で普通は言えない

でも、彼女はその人の為を思い素直に自分が思った事を告げた
それを加えれば彼女は優しいだけでなく、とても強い人だ




そんな彼女と僕は――――













「ねぇ、改めて自己紹介しない?」

『え、』

「えーっと、改めまして……僕は苗木誠だよ」

『え、と、私は紫嶋ノア……です』

「よろしくね、紫嶋さん!」

『う、ん……よろしく、苗木クン!』
















僕と彼女は友達になりました

これから、もっと仲良くなれれば良いな!

















(あ、そういえば誰から僕の話聞いたの?)

(十神クンと霧切ちゃん)

(え、よりにもよってその二人!?)

(十神クンは親が知り合いで、霧切ちゃんは私が仕事の手伝いしてるからなの)

(へ、へー……そうなんだ……)
















―――――――――……………

偽十神から思いついたもの
変装やなりきるのが上手いのは霧切ちゃんの手伝いやら潜入やらで上手いって設定です



130904





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あきゅろす。
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