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Dangan ronpa Series
▼羊の皮を被った狼って本当にいたんだね 【苗木 誠】













これは私の何気無い一言から始まった。






『ねー、霧切ちゃん』

「何かしら?」

『霧切ちゃんって好きな人いるー?』

「っ…………」










私がそう問いかけた瞬間コーヒーを飲んでいた動きを一瞬だけ止めすぐに何も無かったように平然を装っていた

……霧切ちゃーん、私一応貴方と一緒に居る時間長いからそれくらい分かりますよー?











『へー、霧切ちゃん居るんだー。誰?』

「……居るなんて一言も言って無いのだけれど?」

『えー?だってさっきあからさまに反応したじゃーん』

「貴方はどうなのかしら、ノア」

『え、ちょ、話そらさないでよ!』

「どうなのかしら?」













き、霧切ちゃんの目が獲物を狙う目に……!
可愛い響子さんからかっただけなのに!霧切ちゃんひどい!
どんだけ自分の方に流れ持ってこうとしてんの!


まぁ、私はそんな素振り見せてないし、言っても無いからバレないバレない……














「私の見立てが正しいのなら、苗木クンかしら」

『っ!!??』


ガタンッ!


『っ〜〜痛い!』

「分かりやすい反応ね、貴方は……」

『ちょっ、マジな方で痛い……、てか霧切ちゃん呆れないで!?』

「手を貸すわ、掴まりなさい」

『うー…、ありがとー……』













てか、何で分かったこの人!




私は彼の名前が出た瞬間、驚きで立ち上がり椅子が反動で後ろに倒れた椅子の足に引っ掛かり私も後ろに倒れ頭を床にゴチン!ですよ。

端から見れば何とも間抜けな図である。


そして私は霧切ちゃんに手を貸してもらい起きて、氷でぶつけたところを冷やしてます。













「キレイなたんこぶが出来たわね」

『嫌味ですか?嫌味ですよね!?』

「……そんなことないわよ」

『なら、目を合わせようか?』

「彼に見つかる前に腫れが引くと良いわね、きっと心配するでしょうから」

『話またそらした!え、彼って?』

「さっき話にも出た、苗木クンよ」

『なななななんで、苗木クン!?ってか心配なんてしないしない!』

「いいえ、それはありえないわ。彼の性格上絶対に心配するもの」

『じゃあ、会わなければ余計な心配を皆にかけなくてすむね!』

「あら、皆なの?私はてっきり苗木クンだけだと思っていたのだけれど」

『やだもう霧切ちゃん何で色々知ってるの!?』

「私の才能を忘れたのかしら」

『……あ、超高校級の探偵だったぁあああああああっ!』

「……その様子だと本当に忘れていたのね」













アホか私は!
見破られて当然じゃないか!
しかも霧切ちゃんの才能を忘れてたなんて…!

もしかして他にも見破られてるんじゃ……
……止めよう、何か考えてて怖くなってきた














『……あんな質問した数分前の自分を殴りたい』

「私は結構楽しかったけれど」

『私は楽しくない!』

「……あら、苗木クン」

『いやいや霧切ちゃん?ここにいるわけないでしょ?』

「えーっと、ちょっと良いかな…?」

「平気よ、何かあったの?」

『え、苗木クン!?いつからそこに!?』

「私が気付いて声をあげたじゃない、貴方は否定したけれど」

『マジか!ってかここに居るって事は霧切ちゃんに用事か!ごめんよ』

「え、あの、」

『んじゃ、話終わったらまた話そうね霧切ちゃん!』

「……えぇ」

『あ、ひふみんだ!』

「あっ、紫嶋さ……!」

「…………本当はノアだったのでしょう?」

「えっと、まぁ、あはは……」

「早くしないと誰かに盗られるわよ、あの子無自覚天然タラシだから」

「……うん、頑張るよ」

「まずはノアと苗木クンがちゃんと話せるところからかしら」

「…………痛いところをつくね霧切さん」













あー、まだ心臓がバクバクいってるよ……

ひふみんが丁度来てくれて助かったぁ…………
ひふみんは少しビックリしてたけど現状を理解してくれたみたいだ。


ひふみんには私が苗木クンを好きだと言ってあるからね!
何かと二次ヲタかと思えば良いアドバイスくれるから助かってるんだよね













「まーた逃げて来たのですかな?いい加減止めないと他の人に盗られてしまいますぞ!」

『う、それは嫌だけどさー…苗木クン目の前にすると頭真っ白になって何も考えられなくなっちゃうんだもん』

「あの表情を見る限り霧切響子殿も呆れていますぞ」

『え!?』













ひふみんの言葉にビックリし私は振り替えって霧切ちゃんの方を見た

すると何故かこちらを見ていた苗木クンと目があった
そして視界の端に見えた霧切ちゃんは微笑んで(?)いた



私はその視線に耐えきれず、すぐに視線をひふみんに戻した














『ひひひひひひふみん!霧切ちゃん呆れてないじゃん、あの子微笑んでるよ!何か楽しんでるよ!』

「おや、苗木誠殿が少し残念そうな顔をしておられますぞ?」

『へ、へー、そーなんだー私は見てないから分かんない!』

「……知っていましたか紫嶋ノア殿、苗木誠殿は君がこちらに来たときからずっとこちらを見ていますぞ」

『…………え、苗木クンってそっちの趣味…?』

「違いますぞ!?ボクからはあちらの行動や表情が見えているのです、そして苗木誠殿はずっと紫嶋ノア殿を見ている。そしてそして目があった瞬間嬉しそうに笑ったのですぞ!この意味が分かりますかな?」

『ひふみーん、それ以上は私が調子に乗っちゃう。勘違いしちゃうからやめよー?』

「あれは、勘違いしても良いと思われますぞ。現にボクに向けられる視線が怖いので……」

『え、ひふみん?』

「ぼ、ボクは急用を思い出したので失礼しますぞ!」













あの体型からは考えられないスピードで何処かへ走り去っていった

ひふみん大丈夫かな?顔色悪かったけど……



後ろをチラリと確認すると話が終わったようで苗木クンが席から立っていた。

これで霧切ちゃんとまた話が出来る!
苗木クンとも話したいけど、うん無理!
会話が続く自信が無いぜ☆←




そう心の中で思っていたら誰かに肩を叩かれた。
霧切ちゃんだと思い普通に振り向いた、……のが間違いでした。













「ねぇ、紫嶋さん。少し話さない?」

『え、いや、あの、』

「えっと、イヤかな…?」

『っううん、大丈夫イヤなんかじゃないよ!』

「良かった!じゃあ、お茶でもしながら話そっか」

『あれ、霧切ちゃんは……?』

「霧切さんなら帰るって言って自室に帰ったよ」

『えぇっ!?』

「えーっと、紅茶で平気?」

『え!?あ、はい!』

「ふふっ、どうしたの?いつもの紫嶋さんじゃないみたい」

『いや、なんでもないです……』














何で霧切ちゃん帰った!どうしてこうなった!?
苗木クンと二人っきりとか気を失う自信ありますけど!?
苗木クン優しいし微笑んで可愛いし!
まぁ、クスクスと笑われたのはちょっとショックだけど……


それにさっきのひふみんの言葉がさっきっから頭の中をぐるぐるして離れない……!
どうしよう、いつも以上に頭真っ白だぞ!?














「ね、さっき山田クンと何話してたの?」

『え、あ、いや、ちょっと相談事を……』

「悩み事?僕も何か力になれないかな?」

『えーっと、ちょっと無理ですねー…』

「そっか、力になれなくて残念だよ。何かあったら言ってね!」

『え、と、ありがとう…?』

「ふふっ、何で疑問系?」

『うーんと……、何となくだよ』

「ノアさん、可愛いなぁ……」

『えぇ!?そんなことないない!それを言うなら苗木クンの方が何倍も可愛いし!』

「ノアさん、それ男の僕にとっては嬉しくないよ……」

『あ、ごめん……って、あれ?さっき名前……』

「うん、呼んだよノアさんって。これからもこう呼んで良いかな?」

『も、もちろん!苗木クンが良いなら……』

「誠」

『へ……?』

「僕のことも名前で呼んでくれない?」

『え、いやいやいやいや無理です!』

「なんで?」

『何か照れくさいし……、それに苗木クンで定着してるし……』

「…………」












私がそういうと苗木クンは暫く考えこんで私の隣まできた

そして耳元に口を寄せたかと思うと、囁かれた













「ノア、」

『ひっ…!?』

「あれ…、もしかして耳元、弱い?」

『っう、やめ……!』

「やーだ、名前呼んでくれるまで止めないよ?」

『や、ぁ……!』













耳元でいつもより低く甘い腰にくるような声で私の名前を囁いた
苗木クンは耳元が弱いと分かった瞬間に私が逃げないように腰に両手を回してきて余計に密着した形になった

私は耳が弱いと自負していたので余計にヤバいと思った


てか、苗木クンってこんなキャラだっけ!?
バリバリ草食系だと思ってましたよ!
ロールキャベツだったよ、騙された!




名前を呼べば終わるんだよね、名前を呼べば……













『っま、こと…くん……』

「……聞こえなかったからもう一回」

『っひゃ……、誠クン……!』

「もう一回、ね?」

『っ誠!』

「ふふっ、良くできました」

『っう……、もう、離してぇ……』

「僕はもう少しこのままがいいなぁ、ダメ?」

『っダメ!も、ヤバイから……!』

「うーん、分かったよ」













名残惜しそうに離れていき、私は解放された
苗木クンは隣でニコニコしている
私はからかわれたのだろうか?だとしたら腹立つな……














『っはぁ……、からかったの?』

「可愛いかったから、つい悪戯心がね。……大丈夫?」

『だいじょばない……、もうからかうのは止めてね苗木クン』

「……え?」

『だから、からかうのは止めてねっていったの。聞いてる苗木クン?』

「名前」

『名前?』

「名前で呼んで」

『えっと、誠クン…?』

「……」

『おーい、誠クーン?』

「………………」

『……っうー、誠……?』

「うん、なーにノア」

『…………もう、なんでもないです』

















(ね、ノア)
(なーに?)
(近いうちに君を奪うから)
(は!?)
(覚悟しててね!)

















ーーーーーーーーー………

ロールキャベツ男子うまいですなぁ……モグモグ

黒木クンです。黒苗木クンです。
書いてたら手が止まらなくなりました
長くなった!



130825






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