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Uta No☆Purinsusama♪
☆Sky flower 【一ノ瀬 トキヤ】















私はトキヤの隣に居ても良いのだろうか?


彼の隣に立つようなふさわしい人間なのだろうか――――……?












「―――――でね、……って聞いてる?」

『っえ……あ、ゴメン……』

「もー…、今日上の空多くない?というか、最近ずっとそうじゃない?」

『ゴメンゴメン、そう?そんな事無いと思うけどなぁー……』

「そんな事あるから言ってんの!!もー……」

『いやぁ、ゴメンって!んで?話の続きは?』

「あぁ、でね―――――」












彼女が言ってることはアタリ
全部、アタリ


流石、小さい頃からの付き合いだなぁって感心する







私が考えていたのは彼氏のトキヤの事

彼は今を輝く人気アイドルで、私は普通の女子高生で何故彼が私を選んだか不思議だ



彼ならキレイな人を選ぶことが出来ただろうに





私は特別、可愛いというわけでもキレイというわけでも無い


彼の歌を作っている作詞家である七海さんの方がとっても可愛くて優しくて良い子だろうに

それに比べて私は可愛くもなければ優しくもない、というかトキヤの前では天の邪鬼になってしまう。そして良い子でもない







と、いうわけで何故トキヤが私を選んだのか不思議で最近ボーッとしがちなのだ












『はぁ…、…………ん?』

「ねぇねぇ、何か外騒がしくない?」

『うん…、それに何か人だかり出来てるし……』

「わっ!今一瞬見えたけど何あのイケメン!!背ぇ高っ」

『へぇー、誰かの彼氏かな?』

「一瞬だったけど、ちゃんと見えたよ!髪は紫がかった黒で跳ねてた、んで高身長で大人っぽくて色白、後サングラスしてて素顔が分かんなかったなぁー…」

『………え?』












紫がかった黒で跳ねてた、それで高身長で大人っぽくて色白…?


まるでトキヤじゃないか




それに今私の目の前の彼女はサングラスをしていて素顔が分からなかったと言った



もしそれがトキヤなら、オシャレじゃない

―――――――――変装だ







だんだんと私達の教室に女子たちの黄色い声が聞こえてくる







………まさか、

……………まさか、まさか、












「えっ、ウソッ!さっきのイケメンくんじゃんっ!」

『………と、き…や……』

「鈴歌ってば!あの人だよ、さっき言った人!!」












ガラッと開いたドアの方を見てみると話に聞いた高身長の男


でもよく見るとやはりトキヤだ
相変わらず変装は完璧だが、毎回その変装を見てる私にとってはすぐに分かるのだ




そしてあちらも案の定コチラを見つけて見てきている

あの視線は私に来いと訴えているのか












「あ、ちょっ、何処行くの鈴歌!!」












呼び止める声に止まらず、私の体は思う前に行動していたらしい

体は真っ直ぐトキヤの方へ向かってゆく




そして彼の前でピタリと止まった












「やっときましたね、帰りますよ。さぁ、早く支度をしてください?」

『まさか、来るなんて………ちょっとまって、すぐに支度するから』

「えぇ来ましたよ?貴方と帰りたくて仕事を早く切り上げてきましたから」

『………また、そんな無茶を』

「なんとでも」












得意気にニヤニヤしながら言ってくるトキヤにカッコいいと思いながらもイラッときたので、ありがとうとか嬉しいとかは絶対に言わなかった




支度をしている最中クラスの皆から軽い質問攻めにあいながら学校を出た

明日はもっと質問攻めになるだろうなぁー…などと思いながら












「…………さっき教室で浮かない顔と呆けた顔をしていましたが、何かありましたか?」

『………いや、特に何もないよ。トキヤの見間違いじゃない?』












また出てしまった


―――ワタシノワルイトコロガ






好きな人に素直になれない癖

こうゆう所が私は自分自身の中で一番大っ嫌いだ





トキヤも絶対私に呆れてるはずだ

ほら、トキヤも呆れて…………










呆れ………て……?




…………何かコッチ見て笑ってるんだけど
何か超ニヤニヤしてんだけど!

とうとう頭可笑しくなった!?












「………何かとても失礼な事を考えてませんか?」

『………マサカ!ソンナワケナイヨー』

「では何故カタコトなのでしょうねぇ、鈴歌?」

『ごめんなさい考えました、だからそんな良い笑顔で脅迫に近いような感じで言わないで!!』












チョー怖い、現役アイドルのスマイルチョー怖い!

普通ファンだったら泣いて喜ぶような満開のウルトラスーパーレアスマイルだったんだろーけど、私にとってはそうじゃないんだよ!




この笑顔が出るときは必ず良くないことが起きるんだよ!



逃げ、たいけど先読まれたのか腕捕まれたーっ!












「逃がしませんよ?」

『っあくま!ダイエット星人!野菜マン!女子力無駄に高すぎるんだよバカヤローっ!!』

「困りました、悪口なのか誉め言葉なのか分かりませんね……」

『悪口だよ!悪態だよコノヤローっ!!』












もうヤダと沈んでいると、頭を撫でられた


え、何で?












『ちょっ、トキヤ…?』

「私は素直じゃない貴方も、悪態をつく貴方も天の邪鬼な貴方も大好きですよ」

『はい!?』

「気が回って優しい貴方が私は大好きです」

『や…、あの……』

「そんな貴方が大好きです、愛しています」

『わっ分かったからそれ以上言わないで!すっごい恥ずかしいから!!』

「ふふ、そういう照れ屋な所も可愛く愛らしくて好きですよ?」

『う、うるさいっ!』












なんなの今日のトキヤ!
すっごい恥ずかしい…………

でも嬉しいって思うのも事実で、その言葉に返せてない自分がイヤだ












「何も心配しなくても大丈夫です、私はどんな貴方でも好きですから。無理に答えようとしなくても平気です、ゆっくりでいいですから」

『…………っとき、や』












いつまでも待ちますから―――


何てカッコよすぎる、私をどれだけ惚れさせれば気がすむのだこの男は





私も与えて貰うばかりではいけない
ちゃんと返さなくては












『………トキヤ、』

「何ですか?」

『……だい、すきです』

「!」

『だいすき、なんです…!いつもありがとう……!』

「………っ!」

『そ、それだけ!』

「っはい、ありがとうございます……私もです」












そう言うとトキヤは私を抱き締めた

今火照っている顔を隠すには最適な場所だったのでソコに顔を埋めて顔を見えないようにした


トキヤは胸の当たりに顔を埋められてくすぐったそうだった














(にしてもトキヤは心が空みたいに広いねぇー……)

(そうですか?好きな人の為なら待てるでしょう?)

(いや、普通は待てなくて求めるんじゃないかな?)

(好きな人に無理強いはあまりしたくありませんから……、私が空なら貴方は可憐な花ですね)

(何故!?)

(可愛いというのは勿論、花は空を仰いでますから私の事を見ていてくれるでしょう?)

(ばか……!)















――――――――………


トキヤが後半デレッデレな気がする

そして無駄に長い!!



130607





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